埼玉県営大宮公園野球場 様

「埼玉県営大宮公園野球場」のイメージ画像

プロ野球公式戦からアマチュア野球まで、埼玉県を代表する野球場のひとつとして、選手も観客も、地域住民にも快適な放送設備。

概要

プロ野球、アマチュア野球を問わず、古くから埼玉県の野球ファンに親しまれている埼玉県営大宮公園野球場。現在では、プロ野球公式戦開催規格を満たす両翼99m、中堅122mの広さ、LED方式のスコアボードなど最新の設備、最大20,500人の観客を収容する球場として、まさに埼玉県を代表する野球場となっています。

TOAでは、放送設備の改修を通して、プロ野球公式戦から、高校野球、少年野球、草野球、その他野球に関するイベントにいたるまで、選手と観客が楽しめる、また地域住民にも安心の音空間と、運営スタッフが操作しやすい音響システムの構築をお手伝いしました。

納入情報

納入先 大宮公園野球場 様
納入品 ラインアレイスピーカー<typeA>
コンパクトアレイスピーカー
デジタルミキサー D-2000シリーズ
納入時期 2012年3月
採用背景 2008年より毎年行われている西武ライオンズの公式戦で、近隣の住民より騒音に対する苦情が寄せられていました。放送設備の老朽化により、音質の劣化も目立っており、スコアボードのLED化などの大幅な改修を行った翌年、2011年に放送設備のリニューアルが決定されました。

課題と解決のポイント

課題

  • 設備の老朽化で球場内の音質劣化がみられ改善を図りたい。
  • さまざまな野球関連のイベントの規模や種類に応じて、簡単に音響の設定・制御を変更したい
  • 一部のエリアしか使えなかったワイヤレスマイクを、球場全面で使用したい
  • プロ野球公式戦開催時に、近隣住民からの騒音苦情をなくしたい

解決のポイント

  • ラインアレイスピーカーにより、大空間でも明瞭性の高い高品位な音空間を実現
  • 周囲の騒音を検知、自動的に音量を調整することで周囲への騒音を低減
  • デジタル化によるシーンメモリー呼び出しで専任オペレーター不在でも高い操作性、パフォーマンスを発揮

背景

長年使用してきた放送設備が老朽化。プロ野球公式戦でのパフォーマンスが追い付かない状況に。

大宮公園野球場は、昭和9年オープンの伝統ある球場で、それ以降何度も改築が繰り返されてきました。現在の規模に改築されたのは1992年で、その設備もかなり老朽化が目立ってきました。とくに、2008年から西武ライオンズの公式戦が大宮公園野球場で毎年開催されるようになってから、近隣住民からの騒音苦情が寄せられるようになりました。その他の設備の老朽化も目立っていたため、2010年から全面的な改修工事が行われることになり、まずスコアボードをLED仕様に改修し、そして翌年(2011年)に、運営側の改善要望が多かった放送設備の改修を行うことになりました。

課題

プロ野球からアマチュア野球、草野球までカバーできる、制御しやすく、明瞭性の高い音空間に。

以前の音響システムは、観客の多い、少ないによって細かな音量や音質の調整はできませんでした。多くの観客が入るプロ野球の公式戦の場合、当然歓声も大きくなります。DJによる演出などで観客を盛り上げるため、それに合わせてアナウンス等の音量も上げないと観客に届きません。大宮駅近くで市の中心部というロケーションのため、プロ野球のような大きなイベント時では音量が大きくなり、既存のシステムでは近隣へ放送の音声が漏れてしまうという状況が発生し、設備を管理する方も対応に苦慮する事もありました。
また、大宮公園野球場では、プロ野球公式戦から少年野球の大会まで、さまざまな規模の野球の試合が行われるため、スタッフが試合前にイベント内容に応じて音の調整をしていく必要がありました。その労力と手間も負担となっていたために、設定作業の省力化も課題のひとつでした。
さらに、少年野球教室などのイベントでは、ワイヤレスマイクを使用するケースが多かったのですが、以前のシステムではワイヤレスマイクを使用できる範囲がバックネット付近からピッチャーマウンド付近までと限定されていました。また、ワイヤレスマイクの使用本数も限られていたので、放送室から有線マイクのコードを伸ばして対応するなど、かなり苦労していたため、安定したワイヤレス環境の構築も求められていました。

解決策

デジタル化で設定作業の省力化、細かな制御・調整が容易に。

野球場のような空間ではスピーカーの設置を自由に設定できる環境下でないことが多く、かつ広範囲に音を伝搬しなければならない設備であります。
このような状況を解決するために、音を遠くに伝播する遠達性と明瞭性に優れた「ラインアレイスピーカー<type A>」を1塁側、3塁側に5連結した状態で2基ずつ配置。サブスピーカーは、スタンドの1塁側、3塁側のそれぞれ3カ所ずつに、「コンパクトアレイスピーカー」を設置。さらにスコアボード内のサブスピーカーも、「コンパクトアレイスピーカー」を左右それぞれ3連結で設置しています。残響が多い、周りの騒音レベルが高いなど、従来のスピーカーでは明瞭性を確保しにくかったスタジアムも、ラインアレイ特有の狙ったエリアへのみ音を届ける指向制御、音を遠くに伝播する遠達性により、明瞭性の高い制御された音空間が実現できます。
また、システム全体をコントロールする「デジタルミキサー」や、周囲の騒音だけを検知して放送音量を自動的にコントロールする「デジタルアンビエントノイズコントローラー」などのデジタル信号処理機器もシステムに加えることで、スピーカーごとに音量や時間差などの制御を行え、確実に明瞭な音が観客席に届けられています。
あらかじめメモリーしておいた設定を呼び出すことで、専門のオペレーターに頼ることなく設定を容易に変更でき、利便性も向上します。イベントの種類、規模に応じてワンタッチで設定を変更することが可能で、現在は8パターンの設定をメモリーし、それぞれのイベントでの設定の省力化につながっています。
ワイヤレス環境については、1塁側、3塁側にそれぞれ2台ずつワイヤレスアンテナを新たに設置することで、球場内の全域でワイヤレスマイクを使用することが可能になりました。

スピーカー設備機器外観

  • スピーカー設備機器外観

放送席・記録室内機器外観

  • 放送席・記録室にある、メイン・サブのミキサー卓。上はモニタースピーカー。放送席はグラウンドとほぼ同じ高さになっている。西武ライオンズの公式戦では、ここからDJによる放送が行われている。
  • 放送席・記録室にある効果調整架。デジタルミキシングプロセッサーユニットのほか、デジタルアンビエントノイズコントローラー、デジタルパワーアンプなどを収めている。
  • 効果機器ワゴン。演奏機器などが収められている。
大宮公園野球場の概要

埼玉県営大宮公園野球場は、埼玉県さいたま市大宮区の大宮公園内にある野球場で、全国高校野球選手権大会の埼玉県大会のメイン球場としても使用されるなど、埼玉県を代表する野球場の一つ。その歴史は古く、昭和9年の竣工記念試合として、日米親善野球の第17戦が行われ、ベーブルースやルーゲーリックがアメリカ代表としてプレーした。
1992年(平成4年)の全面改修時に国際規格の球場に建て替えられ、プロ野球公式戦開催規格を満たす野球場として、2008年からは西武ライオンズの公式戦も行われている。

導入商品

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