福島県棚倉町 様 印刷用PDF

福島県棚倉町 様

老朽化した議会のマイク、カメラシステムを交付金や補助金を活用して更新。
住民に開かれた議会運営を実現。

概要

福島県棚倉町は、常陸国と奥州を結ぶ要衝として栄えた、奥州の玄関口に位置する城下町です。町の中心には、丹羽長重により築かれた国指定史跡・棚倉城跡が残り、築城400年を迎えた今も歴史の面影を色濃く伝えています。
TOAでは、配線不要の赤外線会議システムやラインアレイスピーカーなどの音響システムの導入により、クリアな音を議場全体に届けることで、スムーズな議会運営をサポートしています。

納入情報

納入品

議会場会議システム

納入時期

2025年12月

背景

棚倉町議会場では、庁舎完成当時に導入した議場用マイクを長年使用してきましたが、経年劣化により音質の低下やハウリングの発生等、安定した議会運営が難しくなっていました。また、従来は職員が手動で機器操作を行っており、議会事務局が少人数体制である中、運営負担の大きさが課題となっていました。

要望・お役立ちのポイント

要望

  • 老朽化した議場用システムを更新し、安定した音環境を確保したい
  • 少人数体制でも無理なく運営できる、省力化・自動化された仕組みを導入したい
  • 議会のDXを進め、録画配信や同時反訳など、住民に分かりやすい情報提供を行いたい
  • 工事費を抑えつつ、将来の拡張性や更新も見据えたシステムとしたい

お役立ちのポイント

  • クリアな音質により、議員の方が話やすくなり、議事録作成の精度も向上
  • 議員一人ひとりがマイクを操作する方式を採用、職員の機器操作負担を大幅に軽減
  • マイクとカメラが連動することで、スムーズな議会進行を実現
  • 同時反訳システムの導入により、耳の聞こえづらい方にも配慮した傍聴環境を整備
  • 配線不要の赤外線会議システムの導入で、工事を最小限に抑えた構成に。導入コストを抑制しつつ将来の更新にも柔軟に対応

インタビュー記事

「交付金や補助金を活用して基盤を整えることができました。
「見える」「伝わる」議会を目指して、1歩ずつ着実に前に進めていきたいですね。」

福島県 棚倉町
議会事務局
局長 近藤 徳夫 様

-今回、議場システム更新を検討された背景を教えてください。

これまで使っていた議場のマイクは、庁舎完成当時に導入したもので、40年以上使用してきました。長年使える点はありがたかったのですが、音質のばらつきやハウリングが起きやすく、職員が手動で細かく調整しなければならない状況でした。議会事務局は2名体制のため、限られた人員で議会を運営する負担が大きくなっていたのが実情です。
更新にあたっては、できるだけ自動化し、議員ご本人に操作してもらえる仕組みを前提に検討しました。もう一つの大きな目的が、議会のDX推進です。同時反訳を導入することで、耳の聞こえづらい方にも議会を身近に感じてもらえる環境を整えたいと考えました。老朽化への対応と、住民に開かれた議会づくり、その両立を目指したのが今回の導入です。

-導入にあたって交付金や補助金を活用されたのは?

今回の導入にあたっては、国の新しい地方経済・生活環境創生交付金TYPE1(旧:デジタル田園都市国家構想交付金)を活用しました。町としては、単独財源で新たな事業を行うことが難しい状況にあり、まずは使える財源がないかを探すところからスタートしました。全国的に、同交付金を議会分野で活用した事例が出始めていたこともあり、「まずは申請してみよう」と判断しました。
交付金(補助率1/2)を活用するうえで、課題となったのはいかに自己負担額を抑えるかということです。
当初、有線方式の会議システムの導入も検討しましたが、配線工事費を加えると、総事業費が現行案の約2倍に膨らむ試算となり、自己負担額も大きく増加するため、事業実施のハードルとなっていました。
そこで、総事業費を抑えつつ、必要な機能を確保できるシステムとして、赤外線方式の会議システムを採用することで、工事費用を大幅に軽減し、交付金の範囲内に収めることができました。
同様に交付金を活用して整備を検討される自治体にとって、本事業は1つの事例になると考えています。
また、ランニングコストの発生する同時反訳システムについても、導入に伴う部分を前払い契約とすることで交付金の対象としました。一方、タブレット端末については交付金の対象外だったため、県のICT関連補助金を活用しました。
交付金は「ストーリーづくり」が重要です。住民サービスの向上につながる事業であることを、庁内で共有しながら進めたことが、今回の導入につながったと思っています。

-使い勝手はいかがでしょうか?

実際に使い始めてみて、まず感じているのは、議会中の職員の負担が大きく減ったという点です。現在は議員一人ひとりがマイクのボタンを押して発言する方式にしているため、以前のように職員が全てのマイク操作や音量調整を行う必要がなくなりました。その分、私は議会全体の進行管理や議長のサポートに専念できています。
音質についても、以前とは比べものにならないほど改善されました。語尾までクリアに聞こえるため、同時反訳の精度も向上しています。また、マイクと連動してカメラが自動で切り替わる仕組みにより、通常の議会運営では特別な操作がほとんど不要になりました。議員の方からも「音がクリアで、自分の声が非常に聞きやすい」といった声もいただいています。
結果として、議会運営そのものに集中できる環境が整い、導入して良かったと感じています。

-今後の展望をお聞かせください。

音響や配信、同時反訳といった基盤が整ったことで、議会として「次に何ができるか」を考えられる段階に来ました。今後は、録画配信の活用や議事録の早期公開などを通じて、町民の皆さんに議会の議論をより分かりやすく伝えていきたいと考えています。
また、機器更新のタイミングに合わせて、電子採決など次のステップを検討する余地もあると思っています。ただし、何でも一度に進めるのではなく、町の規模や職員体制に合った形で、無理なく段階的に進めることが重要です。
議会のDXは、職員や議員のためだけのものではなく、最終的には住民サービスの向上につながらなければ意味がありません。今回整えた仕組みを生かしながら、「見える」「伝わる」議会を目指して、少しずつ前に進んでいきたいと考えています。

納入商品

議会事務局席の議場システムの運営ソフトウェアDiscussBox(NTT-AT製:会議録研究所提供)

議会事務局席の議場システムの運営ソフトウェアDiscussBox(NTT-AT製:会議録研究所提供)。以前は2名で定例議会を運営していたが、現在は1名で担当している。

議長席、執行部席、議員発言席、議長席に設置されている赤外線会議システムの参加者ユニット(TS-822)
議員席に設置されている赤外線会議システムの参加者ユニット(TS-822)

議長席、執行部席、議員発言席、議員席に設置されている赤外線会議システムの参加者ユニット(TS-822)。ロングマイク(TS-924)がセットされている。

赤外線会議システムのセンター装置などが収納されたラック

赤外線会議システムのセンター装置などが収納されたラック。

議会場の前面左右に設置されたラインアレイスピーカー

議会場の前面左右に設置されたラインアレイスピーカー。議場内に明瞭な音を届けている。

発言者の映像とともに、発言残時間、出席議員数や採決結果、参考資料、データなどを表示する大型モニター
発言者の映像とともに、発言残時間、出席議員数や採決結果、参考資料、データなどを表示する大型モニター

発言者の映像とともに、発言残時間、出席議員数や採決結果、参考資料、データなどを表示する大型モニター。

議会場の左右に設置されたコンパクトスピーカー

議会場の左右に設置されたコンパクトスピーカー。傍聴席もしっかりとカバーしている。

議会DXの一環として同時反訳システムを導入

議会DXの一環として同時反訳システムを導入。耳の聞こえづらい方でも議会内容を理解しやすい環境を整えている。

棚倉町の概要

福島県棚倉町は、県南部・東白川郡に位置する人口約12,600人(2025年4月1日現在)の町。久慈川や社川が流れ、周囲を山々に囲まれた自然豊かな環境が特徴で、古くから人々の暮らしと文化が育まれてきた。
江戸時代には棚倉藩6万石の城下町として栄え、町の中心には国指定史跡である棚倉城跡が残されている。現在も歴史資源を生かしたまちづくりが進められ、自然・歴史・暮らしが調和した落ち着きのある地域として親しまれている。

DATA
棚倉町
https://www.town.tanagura.fukushima.jp/
棚倉町議会
https://www.town.tanagura.fukushima.jp/chosei/gikai/

導入商品