首都高速道路株式会社 様 印刷用PDF

首都高速道路株式会社 様

音による注意喚起で渋滞対策を強化。
指向性の強い高性能スピーカーによる新たな交通安全への取り組み。

概要

首都高速道路は、都市機能を支える重要な社会インフラとして、安全・快適の向上を通じて、首都圏の人々の暮らしと都市活動を支え続けています。一方で、大型車両の通行量が多く、合流部や上り坂を要因とした自然渋滞が発生しやすい区間も存在します。鶴見つばさ橋も上り勾配による速度低下を主因とした渋滞が慢性的に確認されていました。
以前より視覚情報による注意喚起は行われていましたが、さらなる対策として新たなアプローチが模索されていました。そこでTOAでは、従来の視覚情報に加えて、高性能スピーカーを活用した音による情報提供を提案。現在は、ドライバーへ聴覚情報伝達により注意を促す渋滞対策システムとして運用されています。

納入情報

納入品

高性能スピーカー

納入時期

2024年8月

背景

鶴見つばさ橋は大型車両の通行量が多く、長大橋アプローチ上り勾配による速度低下を原因とした渋滞が慢性的に確認されており、これまで看板、路面標示など視覚情報による注意喚起を行ってきましたが、より多くのドライバーに確実にお知らせするため、更なる対策が求められていました。

要望・お役立ちのポイント

要望

  • 大型車両の通行が多く、上り勾配による速度低下をきっかけに渋滞が慢性化している区間において、交通の流れを改善したい
  • 従来の視覚的な注意喚起に加えて、走行中のドライバーに音声により注意を促して速度低下を防ぐ「プッシュ型」の情報提供を行いたい
  • 交通状況に応じた柔軟な運用が可能な仕組みを構築したい
  • 橋梁部や沿道環境において不要な音漏れや騒音問題を引き起こさないよう、必要な範囲に必要なアナウンスだけを届けたい

お役立ちのポイント

  • 走行中のドライバーへ路肩に設置した高性能スピーカーから速度低下の注意喚起を放送。上り坂での無意識の速度低下を抑制し速度回復を促す
  • 交通状況に応じて放送内容を自動制御できるように車両感知器(トラフィックカウンター)と連動。時間帯や交通状況にあわせて放送内容を自動で制御するなど柔軟な運用が可能
  • 高性能スピーカーが持つ指向性で、周辺環境への不要な音漏れを抑制。交通安全と環境配慮を両立

納入事例紹介動画 ~首都高速道路様_鶴見つばさ橋アナウンス~

本動画は放送音声の聴こえ方をイメージいただくためのコンテンツです。
実際の使用環境では、周辺環境や設置条件などにより聴こえ方が異なる場合があります。

営業担当へのインタビュー

「音の届け方と騒音配慮を徹底的に検証し、橋梁部で実用化した渋滞対策の新たなモデルができました。」

TOA株式会社 ソリューション営業本部 インフラ営業部 東京ユニット
ユニット長 星 夏樹

-鶴見つばさ橋の渋滞対策の導入経緯は?

星 氏

鶴見つばさ橋は大型車両の通行量が多く、上り勾配による速度低下をきっかけに渋滞が発生しやすい区間でした。これまでも看板、路面標示などによる注意喚起は行われていましたが、ドライバーが見慣れてしまい、十分な行動変容につながらないという課題がありました。
こうした状況を受け、首都高速道路様から、従来の視覚情報を補完し、より確実にドライバーへ注意を促せる新たな渋滞対策ができないかと相談をいただいたのがきっかけです。そこで、指向性の強い高性能スピーカーを用いたデモンストレーションを実施しました。現地での検証を重ね、実用性と環境配慮の両立が可能と判断され、2024年8月に本格導入となりました。

-導入された渋滞対策システムについて教えてください。

星 氏

今回導入した渋滞対策システムは、首都高速湾岸線(東行)鶴見つばさ橋の上り勾配区間に高性能スピーカーを設置し、走行中のドライバーへ音声による注意喚起を行うものです。高性能スピーカーは上り線の900m区間に40m間隔で合計17台配置しています。
また、車両感知器(トラフィックカウンター)と連動し、走行速度や時間帯に応じて放送内容を自動で切り替える仕組みとすることで、実運用に即した柔軟な対応を可能にしました。放送は平日朝6時から11時まで実施しており、「上り坂が続きます。速度低下に注意してください」「速度を回復してください」といった注意喚起に加え、渋滞解消時には「速度低下に注意」など、状況に応じた3種類のメッセージを放送しています。

-本格導入までに苦労された点は?

星 氏

本格導入にあたって苦労したのは、橋梁部という特殊な環境において「車内まで確実に音を届けること」と「反対車線への影響を抑えること」を両立させる点でした。走行中の車内はロードノイズが大きく、単純に音量を上げるだけでは対応できません。
そのため、現場での調整時は試験車両を走らせて、何度も試験を重ねました。道路環境に合わせて音響信号処理を追い込むことで、走行中の車内でも聞き取りやすさを確保しつつ、指向性を活かして周辺への音漏れを抑える調整を行っています。検証と調整を重ね、安心して運用できる形に仕上げることができたと感じています。

-今後の展開についてお聞かせください。

星 氏

鶴見つばさ橋での取り組みを通じて、音による注意喚起がドライバーの行動変容につながる可能性を確認できたと考えています。一方で、単に音を発するだけでなく、「必要な場所に・必要なタイミングで・適切な音量で」届けるための設計が重要であり、今後の検討における重要なポイントと認識しています。
従来は、主にトンネル内における災害時の避難誘導など、緊急時を想定した用途で活用されてきました。しかし本取り組みは、渋滞対策という日常的な交通事象への対応であり、従来とは異なる新たな活用領域への可能性を示すものです。
道路上の情報提供手段としては視覚情報に依存する側面が大きかった中で、音による情報提供を組み合わせることで、相乗効果を生み出し、より安全で快適な道路交通環境の実現の一助になりたいと考えております。

納入商品

高性能スピーカーを設置。独自の音響信号処理により、走行位置に関わらず、かつロードノイズのある車内でも自然に聞こえるように調整されている。

高性能スピーカーを設置。独自の音響信号処理により、走行位置に関わらず、かつロードノイズのある車内でも自然に聞こえるように調整されている。

速度低下による渋滞頻発箇所には、看板や路面標示などによる注意喚起も行われている

速度低下による渋滞頻発箇所には、看板や路面標示などによる注意喚起も行われている。

首都高速道路株式会社の概要

首都高速道路株式会社は、首都圏における都市高速道路ネットワークの建設・維持・管理を担い、安全で円滑な道路交通の確保を最優先に事業を展開しています。交通事故防止に向けた安全対策や、災害時の迅速な情報提供・避難誘導など、防災機能の強化に継続的に取り組むとともに、交通集中箇所における渋滞対策にも注力しています。
近年では、交通量データの活用やICT技術を取り入れたDX施策を推進し、交通管制の高度化や新たな情報提供手法の検討を進めています。

DATA
首都高速道路株式会社
https://www.shutoko.co.jp/

導入商品