AIアナウンスサービス「YUTTE」を導入。
防災行政無線における音声自動化と多言語対応で、職員の負担軽減を実現。
沖縄県八重山郡に位置する竹富町。防災行政無線は、災害時のみならず、日常の重要な情報伝達手段として活用されてきましたが、放送業務を防災危機管理課の職員が一人で担っており、負担の大きさが課題となっていました。
その状況を変えたのが、AIアナウンスサービス「YUTTE」の導入です。「YUTTE」は従来一人に集中していた放送業務を、各課が主体となって運用できる仕組みへと転換。現場で無理なく運用できる設計まで含めて構築されたことで、職員負担の大幅な軽減と、多言語対応による情報発信力の向上を同時に実現しています。
竹富町では、防災行政無線を通じて、災害情報に加え、町内イベントや行政からのお知らせを日常的に発信していました。
しかし、その運用は「各課から届く依頼書をもとに、防災危機管理課の職員がすべて肉声で収録する」という形で、特定の担当者に大きく依存していました。録り直しも多く、本来各課が担うべき周知業務まで防災危機管理課が抱え込む状況となっており、多言語対応も課題となっていました。災害時には翻訳ツールを使いながら肉声で対応していたものの、迅速性や業務負担の両面で限界がありました。
こうした課題に対し、竹富町が選択したのがAIアナウンスサービス「YUTTE」です。
まずは職員の負担軽減を目的にβ版を導入し、現場で試行しました。その中で、「YUTTE」は単なる音声作成機能にとどまらず、各課がテキスト入力するだけで高品質なアナウンス音源を作成できる点や、防災危機管理課が最終確認と防災行政無線の運用に専念できる点が評価されました。
この「運用フローの転換」が現場で無理なく機能することを確認できたことに加え、正式版では多言語音声を一括で作成・放送できる機能も活用できることから、災害時の情報発信力向上にも対応できると判断し、継続採用になりました。
TOAでは、竹富町の実際の業務運用に合わせて、特定の担当者に依存しない防災行政無線体制を構築し、持続的かつ効率的に情報発信が行える運用基盤を実現しています。
納入品
YUTTE
納入時期
2026年1月
「日本語も多言語も、まとめてすぐアナウンス音源を作成できます。
YUTTEが導入されて、防災危機管理課職員の負担が大幅に軽減されました。」
沖縄県 竹富町 防災危機管理課
係長 宇根 啓士郎 様
宇根 様
竹富町では、防災行政無線を通じて災害情報に加え、町内イベントや行政からのお知らせなどを日常的に発信してきました。放送音源は各課から「無線放送依頼書」を提出してもらい、防災危機管理課の職員が肉声で収録する運用で対応していました。収録時間もかかりますし、嚙んだりして録り直しも多く、大きな負担となっていました。
また平常時は日本語のみの放送でしたが、災害時には必要に応じて翻訳ツールを使用して肉声による多言語放送を試みていました。この多言語放送の負担もありました。
宇根 様
このような運用上の課題に対し、職員の負担軽減を目的に2024年に導入したのが、無料体験版のYUTTEβ版です。防災危機管理課で実際に使用する中で、音声作成の効率化や操作性の良さに手応えを感じ、各課が自ら音源を作成する現在の運用体制へと移行しています。
また、β版が使えなくなることによる負担増を避けるとともに、これまでの運用で十分な効果が確認できたことから、正式版の導入を決定しました。正式版では、多言語音声を一度に作成し迅速に放送できる点が大きなメリットとなり、災害時の情報発信力向上にもつながると判断しています。
宇根 様
災害対応など緊急時の情報伝達や町内イベントや役場からのお知らせ、啓発活動、各課からのイベント告知などを含めると、年間ではかなりの数になります。体感としては、1日1、2回は放送しているのではないでしょうか。
最も大きな変化は、職員が肉声で収録しなくてよくなったことです。これまでは防災危機管理課が、各課からの依頼をもとにすべての音声を自ら録音していましたが、YUTTEの導入によりその作業が不要となりました。その結果、防災危機管理課は本来担うべき最終確認や運用に専念できるようになり、業務負担の大幅な軽減につながっています。
宇根 様
まだ肉声で音声を収録している自治体にとっては、業務負担を軽減する一つの選択肢になると思います。更新までのつなぎとしても有効ですし、同じような課題を抱える自治体であれば、十分活用できる仕組みだと感じています。
宇根 様
今後については、これまでの運用をしっかり継続しつつ、多言語機能をどう活かしていくかがポイントになると考えています。竹富町は島々が海で隔てられており、役場も石垣市にあるため、DXを活用して距離を縮めることが重要です。YUTTEもその一つで、放送業務を効率化することで、限られた人員でも安定した情報発信が可能になります。
今後は災害時だけでなく、外国人観光客が多い時期や大型クルーズ船寄港時など、状況に応じた多言語放送も検討していきたいですね。
AIアナウンスサービス「YUTTE」の入力画面。AIのアシストで多言語のアナウンス音源を音声合成で作成することができる。
AIアナウンスサービス「YUTTE」の単語登録機能。沖縄特有の地名や固有名詞を登録し活用している。
コンドイビーチ前の防災行政無線スピーカー。
いんのた会館に設置されている防災行政無線スピーカー。竹富町全体で33カ所に設置されている。
竹富町は、沖縄県八重山郡に位置する日本最南端の町です。西表島、竹富島、小浜島、黒島、波照間島、鳩間島など9つの有人島と周辺の無人島から構成されています。町域の大半は西表石垣国立公園に指定されており、豊かな自然環境と希少な生態系を有しています。また、赤瓦の集落景観や伝統行事など、島ごとに受け継がれてきた文化も大きな特長です。
島々が海で隔てられ、町役場は石垣市に置かれているという地理的特性から、地域の実情に即した行政運営やDXの活用にも力を入れ、自然・文化と共生する持続可能なまちづくりを進めています。
DATA
竹富町
https://www.town.taketomi.lg.jp/