株式会社ゆりかもめ 様

「株式会社ゆりかもめ」のイメージ画像

老朽化による設備更新への取り組みが課題となっている中、全世界が注目するスポーツのビッグイベントの開催にあわせて、案内放送設備を一新。
国内外のお客様に的確な接近・出発などの案内放送や啓発放送、運行情報などを4カ国語で放送することで、安全・快適な輸送サービスを提供。

概要

新橋と臨海副都心をコンピュータ制御による全自動無人運転で結ぶ、新交通ゆりかもめ。「安全で快適な輸送サービスにより、お客様に笑顔と満足をお届けし、臨海地域、東京の発展に貢献する。」を企業理念として安全・快適な輸送サービスを提供し、2018年度は過去最高の年間4,800万人のお客様に利用されています。
2020年に開催されるスポーツのビッグイベントにあわせて、1995年の開業当初から使用している案内放送設備の全面更新を実施。数年前より急増している外国のお客様に多言語による情報提供を行う、多言語放送システムも導入されました。国内外のお客様に対して多言語による的確な接近・出発などの案内放送や啓発放送、運行情報の放送が可能になりました。

納入情報

納入先 株式会社ゆりかもめ 様
納入品 案内放送設備、多言語放送システム
納入時期 2019年3月
採用背景 1995年の開業以来、延伸した駅への放送設備の追加などの部分的な更新は行ってきましたが、中には開業当初から使用している機器もあり、老朽化による設備更新への取り組みが課題となっていました。また、近年では外国のお客様の利用も増加しており、2020年に開催される世界的なスポーツのビッグイベントに向けて、多言語による情報提供を検討されていました。

課題と解決のポイント

課題

  • 利用が増加している外国のお客様に対して、中央指令所から各駅、または各駅の放送設備から啓発放送や運行情報などを多言語で案内したい
  • 2020年に開催される世界的なスポーツのビッグイベントの競技会場が沿線に点在しているため、観戦に訪れる国内外のお客様に的確な案内放送で安全・快適な利用を促したい
  • ナレーターが話した音源だけでは沿線の環境変化やイベントに対応できず、音源として利用できない。ナレーターによる音源録音に要する時間を削減したい
  • 多言語放送などの機能が増えても操作が複雑にならないように、わかりやすい操作環境にしたい
  • 中央指令所から各駅に放送する場合に、より確実で柔軟な運用が行えるようにしたい
  • 利用されるお客様の増加や沿線環境の変化、案内放送設備の老朽化により、案内放送が聴き取りづらいというお客様からの声もあり、全駅の音量を見直したい

解決のポイント

  • 多言語放送が可能な音声合成エンジンを搭載した中央放送装置、駅放送装置の更新を提案
  • わかりやすいタッチパネル操作で、再生したい放送文を音声ファイルの中から選択し、放送先などを選択することで公共空間に適した、聴き取りやすい4カ国語(日・英・中・韓)の多言語放送環境を構築
  • 定型の放送文を選択して可変部分を編集、または放送文を編集して音声合成でつないで4カ国語の多言語音源を作成。ナレーターによる音源録音に要する時間も省け、柔軟性のある運用が可能に
  • タッチパネル操作部で設備の状態表示、ログ管理により、安定した案内放送環境を実現。中央指令所から各駅への放送が優先されるように優先順位の見直しも実施
  • 案内放送設備の老朽化により音量が低下していたため、設備の更新で改善。更に周辺環境の変化やお客様の状況なども考慮した放送音量とするため、放送音量の全駅見直しも実施

詳細

背景

沿線の観光施設やイベントに訪れる外国のお客様が増加
各駅に放送を行う案内放送設備の老朽化により、設備の更新を計画

新橋とお台場、有明、豊洲といった臨海副都心を結ぶ東京臨海新交通臨海線(新交通ゆりかもめ)沿線は、東京ビッグサイトや豊洲市場をはじめとする観光施設、集客施設も多く、近年では国内外から多くのお客様にゆりかもめをご利用いただいています。日英の案内放送は行っていましたが、アジア圏のお客様も増えており、さらなる多言語展開を検討する必要がありました。
また、開業以来部分的な更新を行っていた案内放送設備も老朽化が進んでおり、「案内放送が聴き取りづらい」といった機能低下が課題となっていました。

課題

利用が増加している外国のお客様に向けた情報提供を4カ国語による多言語で行うことで、安全で快適な輸送サービスの向上を図りたい
2020年に開催される世界的なスポーツのビッグイベントにはさらに多くの国内外のお客様のご利用が見込まれるため、多言語放送を含めた案内放送の充実が不可欠

利用が増加している外国のお客様、とくにアジア圏のお客様に対応できるように、日英の案内放送に加えて中国語や韓国語の放送を検討する必要がありました。以前の案内放送はナレーターによる録音音源を利用していましたが、沿線の開発などによる音源の見直しが頻発しており、その都度ナレーターによる音源録音に時間を要していました。
また、2020年に開催される世界的なスポーツのビッグイベントの競技会場が沿線にいくつもあり、ゆりかもめをご利用される国内外のお客様も大幅に増加することが予想されていました。そこで、老朽化による機能低下を解消し明瞭な案内放送をホームやコンコースに届けるとともに、シンプルな操作でお客様に多言語での情報提供がスムーズにできる案内放送設備の全面的な更新が検討されました。

解決策

更新する中央指令所の案内放送設備に、音声合成エンジンを搭載した4カ国語による多言語放送システムを導入
指令所のタッチパネル操作で、音声ファイルに登録した音源を選択して、各駅への多言語による情報提供環境を実現。ナレーターによる録音が不要で、音源の編集・登録が簡単に

2020年に開催されるスポーツのビッグイベントに際して国内外のお客様の安全性・快適性の向上を目的に、開業以来20年以上も稼働していた案内放送設備を一新しました。中央指令所の案内放送設備に、公共空間放送での拡声に特化した音声合成エンジンを搭載した多言語放送システムを導入しました。指令所でのタッチパネル操作により、各駅に対して音声ファイルに登録された音源を選択して、日・英・中・韓の4カ国語による多言語での情報提供が可能になりました。音声合成による音源制作・編集・登録が可能で、ナレーターによる録音作業も不要になりました。各駅の放送設備も一新され、音量などの見直しも実施されており、明瞭で均一な放送環境を実現しています。
さらに、中央放送装置内部のCPUユニットも二重化し、一方のCPUユニットが故障してももう一方のCPUユニットによる放送が可能です。また、ログ記録による故障時の追跡調査などもできるようになり、信頼性も向上しています。中央指令所からの放送と各駅での放送との優先順位も見直し、駅をご利用されるお客様の利便性の向上にもつながっています。

  • 中央指令所から各駅へのマイク放送
  • 定型放送を行う運転指令放送操作盤

中央指令所から各駅へのマイク放送、定型放送を行う運転指令放送操作盤。各駅の放送先選択や放送言語の選択、放送機器の状態表示をタッチパネル操作で行うことができる。

  • タブレットの多言語放送サービスの操作画面。
    中央指令所から各駅への放送を行う中央放送装置の制御架(右)と音声伝送架(中央・左)。

インタビュー記事

「ゆりかもめをご利用するお客様に向けて啓発放送や運行情報を多言語で的確なタイミングで放送することで、国内外のお客様の安全・快適な利用に貢献しています。」 

株式会社ゆりかもめ

運輸部 運輸課 指令区

田中 宏泰 様

「工事時間の制約が多い中で、スムーズに案内放送設備の全面更新が実施できました。設備の更新と放送音量の全駅見直しの効果により、放送が聴き取りやすい環境を構築できています。」

株式会社ゆりかもめ

技術部 電気保安課 電気区

北 明義 様

-「多言語放送」の導入効果を教えてください。

田中 氏

タッチパネルによる簡単な操作で、日・英・中・韓の4カ国語による多言語放送が可能になりました。放送内容としては、啓発放送、緊急放送、終業放送など、約80~100の音源を音声ファイルに登録しています。現在は日・英の2カ国語による案内放送ですが、2020年に開催されるスポーツのビッグイベント期間中は中国語・韓国語を加えた4カ国語による多言語放送を行う予定です。

各駅の放送設備にも音声登録が5文章ずつできるようになっており、駅でどの文章を放送したいのかを事前に検討して登録していますので、各駅でも係員が操作して適宜案内放送を流しています。さらに、優先順位も見直したので、中央指令所から放送したい場合は、各駅からの放送を中断して放送することが可能になり、利便性が向上しています。また、各駅でも案内放送設備更新後は「案内放送が聴き取りづらい」といった声もありませんので、音量の見直し効果が出ていると思います。

-今回の多言語放送を含む案内放送設備の更新工事で苦労されたことを教えてください。

北 氏

工事期間中においても、案内放送を停止することはできません。毎日の案内放送の運用をしながら、ネットワークの切替工事を行うため切替手順の策定に苦労しました。また、他設備の工事も平行して行われている中での今回の放送設備の更新工事であったため、工事スペースに制限がありました。さらに、塩害の影響を受けやすい路線であることから、スピーカーの保守や交換なども頻度が高いことを視野に入れ、保守性を考えて施工をしました。

あとは、「音」ですね。放送設備の老朽化により、案内放送が聴き取りづらいというお客様の声もある中、さまざまな建築物が建設されたり、利用されるお客様が増加したりと周りの環境が変化していることから、今回の更新のタイミングで各駅での音量の見直しが求められました。その部分の調整はシビアですので、TOA殿に協力いただいて実施していきました。利用されるお客様が開業当初よりも増加していますので、周囲の条件や環境が悪い場合も聴き取れる音量にするため、時間をかけて調整してきました。

-今後の展望をお聞かせください。

田中 氏

異常時、非常時に駅の放送設備だけでなく車両の列車無線などを使って、お客様に今どのような状況なのかを速やかに伝えたい。それを外国のお客様だけでなく全てのお客様に対しても情報提供を速やかに行えるツールとして、案内放送が注目されています。

お客様への案内がどこまで自動化できるかはわかりませんが、我々ほど各駅に対して集中制御を行っている鉄道会社はないと思います。今回のように設備面を充実させて、お客様が安全・快適に利用していただけたらと考えています。

株式会社ゆりかもめの概要

東京都港区の新橋駅から江東区の豊洲駅までの東京臨海新交通臨海線(14.7km、全16駅)を、コンピュータ制御による全自動無人運転で運行する株式会社ゆりかもめ。1995(平成7)年の開業以来、沿線のお台場や有明、豊洲などの観光施設や東京ビッグサイトなどの集客施設を訪れるお客様が増え続けている。
また最近では私立大学が新たに開校したり、豊洲市場も移転オープンするなど、通勤通学や国内外の観光をされるお客様の利用も増加している。また、2020年に開催されるスポーツのビッグイベントの競技会場も新たに建設されており、そのアクセス路線としても期待されている。

導入商品

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