偕楽園 様

「偕楽園」のイメージ画像

放送設備のリニューアルで的確な情報を広範囲に渡って周知可能に。日本を代表する庭園を防災面・観光面から強力にサポート。

概要

金沢の兼六園、岡山の後楽園と並んで「日本三公園」として有名な水戸・偕楽園。天保13年(1842年)に水戸藩第9代藩主 徳川斉昭自らが造園構想を練り、領内の民と偕(とも)に楽しむ場にしたいと願い、「偕楽園」と名付けられました。

梅の名所として有名で、約13haの園内には約100品種・3,000本の梅が植えられています。毎年2月下旬から3月下旬には「水戸の梅まつり」が開催され、春の訪れを告げる早春の風物詩として、多くの観梅客で賑わいを見せています。

納入情報

納入先 偕楽園 様
納入品 非常用放送設備、ガーデンスピーカー
納入時期 2012年1月
採用背景 以前の放送設備は広大な園内を1台のスピーカーで放送していたため、スピーカー付近は音量が大きく、スピーカーから離れたエリアはまったく放送が聞こえない状態でした。東日本大震災発生時には、停電のため園内の観覧者に対して案内放送ができなかったこともあり、放送設備の見直しが検討されました。その結果、日本を代表する日本庭園にふさわしい音質で景観を損なわず、災害時でも安心して放送できる放送設備の導入が決まりました。

偕楽園本園地図

  • 偕楽園本園地図

課題と解決のポイント

課題

  • 歴史と伝統のある日本三公園のひとつ、偕楽園にふさわしい音質で景観を損なわない放送設備にしたい
  • 災害発生時でも園内の観覧者、避難してくる住民すべてに案内放送を流せるように、緊急放送の機能を付加したい

解決のポイント

  • 設置高を抑えたガーデンスピーカーを採用、景観を損なわず自然環境に溶け込む色とデザイン、史跡・名勝の風情を壊さない音質を実現
  • 災害発生時に停電しても園内全域のスピーカーを通して緊急放送が可能に

背景

東日本大震災の発生をきっかけに、防災機能の強化、観覧者の安全性確保のために放送設備の一新を検討

偕楽園の従来の放送設備は、好文亭料金所脇の樹木に設置してあったスピーカー1台で園内に放送していました。そのため、風向き次第では表門や南崖といったスピーカーから遠い場所には放送が聞こえない状況となっていました。逆にスピーカー付近は音量が非常に大きく、日本を代表する庭園、史跡や名勝地としての風情が損なわれる状態となっていました。
また、緊急放送の機能がなかったため、平成23年3月11日に発生した東日本大震災時には停電によって園内の観覧者に対してまったく放送できない状況に陥りました。そのため、職員自らが園内を回り観覧者に対して避難を呼びかけるなどして対処しました。偕楽園は茨城県の防災計画にも広域避難場所として位置づけられており、既存設備の更新とあわせて、防災機能の強化と観覧者の安全性確保のために放送設備のリニューアルを行うことになりました。

課題

日本三公園としての景観、風情を損なうことなく、観覧者の利便性・安全性を向上させる放送設備の構築を

放送設備の選定に当たっては、防災強化、観光振興、公園管理の3つの要素を重視されました。また、停電時に放送できる緊急放送の機能を有し、なおかつ広大な敷地の中で確実に園内の観覧者に聞こえる、快適に回遊・見学していただける案内放送が可能な放送設備が求められました。
特に重視されたのは景観上の配慮です。偕楽園は国の史跡・名勝に指定されていることもあり、高台になっている本園部については、地下掘削だけでも文化庁の承認が必要になります。今年で171年の歴史がある偕楽園の自然豊かな景観の中で、できるだけ目立たないようなデザインのスピーカーを検討する必要がありました。また、園内のすべての場所に案内放送が行き届き、楽しく快適に散策していただける音質を目指しました。

解決策

緊急放送対応の放送設備、景観保護のために設置高を抑え、景観に配慮した色に塗装したスピーカーを採用

今回採用された放送設備は、非常用放送設備で、以前にはなかった緊急放送機能を持っています。それにより停電時でもアナウンス放送が可能になっています。防災機能の強化はもとより、観覧者の安全性の確保に配慮し、園内全域に的確に情報が周知できる放送設備に改善されています。
偕楽園が国の史跡・名勝に指定されていることもあり、本園部には設置高が抑えられたガーデンスピーカーが採用されました(35台)。また、園内の傾斜地下側に位置する本園下拡張部には出水時の冠水の恐れも考慮して、ワイドホーンスピーカー2台をスピーカーポールに取り付けて設置しています(合計7本、14台のスピーカー)。今回導入された合計49台のスピーカーには、元筑波大学の教授が監修した特別色で塗装され、偕楽園の自然、景観に溶け込むように配慮されています。
スピーカーの配置にあたっては、安全・快適に偕楽園を観覧していただくために、園内の隅々まで放送が行き渡り、特に各出入口やトイレ、主な回遊路などの観覧者が多く利用する区域に関しては非常放送や案内放送がはっきりと聞こえるように、さらに偕楽園周辺の住宅地には放送が漏れて騒音苦情などにならないように配慮されています。
また、非常時や「水戸の梅まつり」などの各種イベント時には、臨時に開設される仮設のインフォメーション施設からも放送できるように、観梅本部、東門、偕楽園記碑付近にリモートマイクを接続する接続盤を設置しており、園内のきめ細かな放送を可能にしています。

  • 好文亭料金所内に設置された非常用放送設備。操作手順を書いたマニュアルを用意したり、操作する順番を機器に貼ったり、職員の間で工夫している。
  • 料金所内に設置されたリモートマイク(上)と、園内3カ所に設置されたリモートマイク接続盤(下)。リモートマイクを接続して非常時やイベント時の案内放送を行うことができる。
  • 東西梅林の中に設置されたガーデンスピーカー。
    保護色に塗装され、また設置高も抑えられているため、景観に溶け込んでいる。
  • 向学立志の像付近に設置されているワイドホーンスピーカー。こちらも景観に配慮して、特別色で対応。ポールの下にはリモートマイク接続盤が取り付けられ、非常時にはリモートマイクを接続して放送が可能。
偕楽園の概要
偕楽園

偕楽園は日本・茨城県水戸市にある日本庭園で、天保13年(1842年)に水戸藩第9代藩主 徳川斉昭によって開かれた。金沢の兼六園、岡山の後楽園と並んで「日本三公園」といわれている。
「水戸の梅まつり」のほか、春には桜、初夏には深紅のキリシマツツジ、真夏には緑あざやかな孟宗竹や杉林、秋には可憐な萩の花やモミジが見られ、四季折々の見どころがある。

導入商品

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