TOA株式会社(本社:神戸市 吉川隆典社長)では、既存商品のファームウェアをバージョンアップし、音響関連機器としては世界で初めて次世代ネットワーク「IPv6」(注1)に対応し、IPv6 Ready Logo(注2)を取得いたしました。
IPv6 Ready Logo取得日は、5月26日。該当商品は2002年10月に発売した「ネットワークオーディオアダプター」(型式: NX-100 、オープン価格)です。β版ファームウェアにつきましては、国内最大規模のネットワーク機器展示会「NetWorld+Interop 2004 Tokyo」に、ロゴ取得後初めて出展いたします。なお、正式版ファームウェアについては、2004年10月を目処に公開予定。出荷時からIPv6対応した NX-100 の商品化は、未定です。
IPv6ReadyLogo™
|
|
「 NX-100 」は、ネットワークを通じて、FM放送並の高品位な音声を、リアルタイムかつ双方向に送受信し、遠隔地間の音による情報伝達を可能にするための商品です。(詳細は下記参照)
なお、インターネット環境などの通信インフラが、現状ではIPv6に十分対応していないことから、当面、 NX−100 は現行仕様の(IPv4)にて販売を継続いたします。また、バージョンアップに関するご相談は、弊社インフォメーションセンターもしくはウェブサイトにて受付いたします。
【IPv6 Ready Logoの取得状況について】 ロゴ取得済みの機器は世界で85機種、国内では46機種(2004年6月21日現在)で、そのほとんどがネットワークルータ−やコンピューターOSです。今回のロゴ取得は、ネットワーク端末機器としては世界で5番目、音響機器では世界初となります。なお、これまでのロゴ取得機器につきましては、http://cf.v6pc.jp/logo_db/approved_list.phpをご覧下さい。
【IPv6導入のメリットについて】
いち早く新規格に対応することで、次世代のスタンダード化を図ります。IPv6導入により、「機器ごとに固有のIPアドレスを設定=機器を個別に認識可能」になるメリットとしては、第一に設定作業の簡略化が上げられます。加えて、機器ごとに別々の動作を設定できることにより、設計自由度が向上します。例えば、遠隔地にある商業店舗のスピーカーのひとつひとつに、別々の放送内容を設定するなど、きめ細かい設計施工が、将来的には可能になります。
注1:IPv6(アイピーヴィシックス)とは
昨今ネット家電などのインターネット接続機器が増加していますが、IPアドレスと呼ばれる機器の識別番号が将来的に枯渇してしまうことが予測されています。そのためアドレスの桁数を32ビットから128ビットに増やして事実上無限の数の機器がネット接続できるようにした新たな規格で、今後世界中に導入が進められます。
注2:IPv6 Ready Logoとは
国際的なIPv6の普及促進団体である「IPv6 Forum」が定めた「IPv6 Ready Logo Program」に基づいて試験を行い、相互接続性の基準を満たしたと認定された機器に与えられるロゴです。
【ネットワークオーディオアダプターについて】
型式 : NX-100 より詳細な情報はこちら
価格 :オープン価格
発売日:2002年10月31日
<商品の概要>
TOAが開発した、ネットワーク上で音声を送受信する技術「PacketAudio(パケットオーディオ)」を搭載した商品。LANやインターネットなどの既存の通信インフラを介して、音声を双方向に、ほぼリアルタイムに送受信。拡声放送に適した圧縮技術と独自のパケット通信方式により、業務用拡声放送に使用できる高品位な音声を、途切れなく伝送することが可能です。
この技術を利用した「ネットワークオーディオアダプター」は、遠隔地への拡声放送用や、多店舗商業施設などの多地点間放送に最適です。
企業では、本社から全国支社へリアルタイムで一斉に朝礼放送を流すことができ、本社にいながらにして全社に向けてメッセージを届けることができます。また、多店舗展開のチェーン店では本部から全店舗に共通した内容を放送するだけではなく、店舗ごとに異なる放送を本部集中管理のもとで放送することが可能です。
コスト面でも、メリットをご提供できます。従来、遠隔地への拡声放送を行う場合、デジタル専用線を敷設する必要がありましたが、新商品は、ADSLなど既存の安価なブロードバンド回線を使用できるため、通信にかかるランニングコストを低減することが可能になりました。
さらに、音声を双方向に送受信できる利点を活かし、「遠隔地の音を聞く」ことも可能。遠隔地にある工場などでは、機械の動作音を聞くことで、正常動作をしているかどうかを監視する、音声モニターシステムが構築できます。
<商品の主な特徴>
- ネットワークを通じてリアルタイム伝送
業務用拡声用途に使用できるほどの高音質・短遅延を実現しました。
- 低コスト
安価なブロードバンド回線を経由しての放送が可能なため、従来のデジタル専用線を使う場合と比較して設置コスト、運用コストを大幅に削減できます。
- 高品位音声を送受信
音声圧縮方式は原音の波形を忠実に再現する方式のため、高品位な音声を送受信することができます。
- TOA独自のパケット欠落補正機能
音声データを小さな単位のデータ=パケット化し、送受信します。その際、ネットワーク上の通信障害により受信できない音声パケットがあった場合には、該当パケットを再送する方式を採用。これにより、音切れのない放送を実現しました。
- 制御信号の伝送も可能
音声以外の制御信号を伝送することも可能で、音響機器の電源立ち上げ、音楽のスタート・ストップ、監視カメラと組み合わせた場合のカメラ操作なども遠隔地から行なうことが可能です。
|