音のことば/さ行

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最大入力音圧レベル

マイクロホンでは、大き過ぎる音が入力されると音が歪んでしまうことがあります。最大入力音圧レベルは、それ以上の音圧の音が入力されると、音に歪みが生じてしまう限度をdB(デシベル)で表した数値です。


サラウンド

サラウンドは「取り囲む」という意味で、スピーカーを前方のみでなく、左右または後方にも設置して、前後左右に広がり感のある立体的な音場をつくること、またはそのシステムのことです。映画などの鑑賞で臨場感を得るために用いられ、映画館はもちろん、家庭用のシステムも広く普及しています。


残響時間

残響時間とは、ホールや建物で音の響きの量を数値で表すもので、音源からの音を止めてから60dB減衰する時間を言います。
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【参照:無響室残響室


残響室

残響は、(室内で音源の発音が止まった後に壁や天井などの反射によって、引き続き聞こえる響きのことをいいます。残響室は、スピーカーなどの音響機器を設計するにあたって人工的に作られた極めて残響の多い部屋のことで、壁面や天井にはタイルなどの音を反射しやすい素材が用いられています。

残響室

【参照:残響時間無響室


三点吊マイクロホン

3本のワイヤーで吊り下げるマイクロホン装置のことで、主にホールや劇場の客席前部の天井に設置されています。通常、電動で3本のワイヤーの長さを調節し、マイクの位置を決めます。三点吊マイクロホンは、演奏など録音のメインマイクのほか、ノイズ収音用、エアモニター用のマイクとしても使用されます。


CD

コンパクトディスク(Compact Disc)の略。デジタル情報を記録するための直径12cmの樹脂製の円盤で、非接触方式のレーザー光により、書き込みや読み取りを行います。CDは現在最も一般的に普及している録音メディア(媒体)で、音楽以外にもさまざまなデジタル情報の記録媒体として広く利用されています。


CDホーン

CDは定指向性(Constant Directivity)を意味し、CDホーンは、再生周波数帯域にかかわらず指向性が一定になるように設計されたホーンスピーカーのことです。一般のホーンスピーカーは、高音域になるにつれて指向角度が狭くなり、ホーンの正面から外れた場所では均一な周波数特性が得られませんが、CDホーンはホーン内側の壁の形状を工夫して、周波数にかかわらず指向性が一定になるように作られています。
【参照:定指向性ホーン


シーリングスピーカー

シーリング(ceiling)は天井のことで、さまざまな施設において、天井に埋め込んで使用されるスピーカーシーリングスピーカーといいます。天井埋込型スピーカーとも呼ばれ、一般的には360°すべての方向に同じように音が伝わる指向性を有しています。


シールド線

シールド線とは、内部の配線の外側に金属の網目の部分がある構造をもつ線のことです。この網が外から侵入する誘導ハムや雑音を防ぐので、マイクロホンなどの微弱な信号をアンプに伝えるマイクロホンケーブルなどに使われています。シールド線の種類として、平衡形と不平衡形があります。

→[関連用語]マイクロホン平衡形と不平衡形


指向角

指向角とは、音の出る方向を言います。定指向性スピーカーはこの指向角が定まっていて、その範囲以外に出る音が急減する性質を持っています。このスピーカーを使うと不要な方向への音を極端に減らすことができます。
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指向性

音や電波が空間中に出力される時、その強度が方向によって異なる性質のことを指向性といいます。例えばスピーカーでは、どの方向により強く音が伝わっていくかという特性を、マイクロホンでは、どの方向からの音をより強く拾うかという特性を表し、機器の用途などの指標ともなります。

指向性

ジャック

ジャックは、音声や映像を入出力するための接続端子のことで、最も多く用いられているものに「ピンジャック(RCAジャック)」があります。


周波数

周波数とは、映像信号、電気信号、また音や電波の1秒間の振動数のことで、単位はヘルツ(Hz)です。映像信号では微細情報ほど高い周波数です。なお、音の場合は周波数が高ければ高い音、低ければ低い音です。

  • 音の周波数
    楽器の奏でる音、人の声、鐘の鳴る音や車の排気音など、全ての音には高い音、低い音があります。この音の高低を表す値が、音の周波数です。
    音は波の性質を持っており、周波数とは、1秒間に発生する波の数を表し、Hz(ヘルツ)という単位で表します。音は周波数が高いほど高い音、周波数が低いほど低い音になります。ステレオコンポやカーオーディオなどでよく目にする、横一列に並んだ柱が音楽に合わせて伸びたり縮んだりしている表示も、周波数ごとの音量を表しています。右の柱ほど高い音、左の柱ほど低い音の音量を表しており、シンバルなどの周波数の高い金属音が鳴ると右の方の柱が、ドスッ、ドスッというバスドラムのように周波数の低い音が鳴ると左の方の柱が大きく伸びているはずです。
    人間の耳で聞きとれる音の範囲は、個人差もありますが、一般的におよそ20Hz~20kHzと言われています。ちなみに、人間の普段話す声はだいたい80Hz~4kHzあたりです。
    【参照:ヘルツ

周波数特性

周波数特性は、アンプスピーカーなどの音響機器において、入力レベルを一定に保った状態で、周波数を変化させた時、出力がどのように変化するかをグラフなどで表したものです。グラフはX軸(横軸)に周波数、Y軸(縦軸)にdB(デシベル)で表された出力レベルをとった曲線になります。f特性ともいわれます。


出力インピーダンス

出力インピーダンスとは、機器の出力の仕様のことで、通常マイクロホンは600Ω、カセットデッキ等は10kΩです。

→[関連用語]インピーダンス


スクラッチノイズ

アナログレコードを再生する際に、盤面の傷やホコリ、静電気などによって生じる、「パチパチ」というノイズ(雑音)のことで、「針音」とも呼ばれています。アナログレコード全盛時代には、このノイズを防ぐために、レコード針や盤面の掃除、静電気の除去などに懸命でしたが、CDなどのデジタルメディアでは基本的にスクラッチノイズは発生しません。


スコーカー

3ウェイ以上のマルチウェイスピーカーシステムにおいて、中音域を受け持つスピーカーユニットのことで、「ミッドレンジ」と呼ばれることもあます。スコーカーは、音楽再生においてボーカルやメインの楽器にあたる500Hzから5kHzの周波数帯域をカバーしており、スピーカーシステムの音質を左右する非常に重要な役割を果たします。


ステージモニタースピーカー

大音量のコンサートでは、演奏者に自分の演奏している音が聞こえないことがよくあります。ステージモニタースピーカーは、演奏者が自分の音を聴くためにステージ上に設置されるもので、「はね返りスピーカー」や「返し」と呼ばれることもあります。


スピーカー

スピーカーとは、電気信号として伝わってきた音声を、空気の振動=音に変換して放射する機器です。主に、マグネット(磁石)と振動板、コイルによって構成されます。コードを伝わってきた電気信号=電流をコイルに流し、磁場との関係(フレミング左手の法則)によって振動板を動かし、空気を振動させます。
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スロート

スロート(throat)とは「のど」の意味で、スピーカーシステムのドライバーユニットとホーンを結合するための部分です。スロートの幅を変えることで、ホーンとドライバーのマッチングを調整でき、その結果がスピーカーシステムの能率や周波数特性に大きな影響を与えます。


セクトラルホーン

扇形(sector)という意味から命名されたホーンスピーカーで、ホーンの水平方向の断面が扇型をしているものをいいます。ホーン内に分割用の板(フィン)を付けて、特性の安定を図っており、高音域に至るまで安定した指向性を得ることができます。


相互変調

相互変調とは、2つ以上のワイヤレスマイクロホンを近づけたり、ワイヤレスマイクロホンと受信アンテナを近づけたりしたときに、余計な妨害周波数が発生し、その周波数を用いているワイヤレスシステムがビート音により使用不能になる現象です。ワイヤレスマイクロホン同士が近づくと、マイクの内部で歪みが発生し、マイク相互の周波数から生成される新しい周波数を併せて送出してしまいます。またマイクと受信アンテナが近づくと、チューナーの内部では飽和による歪みが発生し、これが受信周波数に落ち込み、ビート音や途切れなどの現象になって表れます。相互変調は、同じグループ内のチャンネルを選んだうえで、ワイヤレスマイクロホン同士の距離、あるいはワイヤレスマイクロホンと受信アンテナの距離を十分保つことによって防げます。

→[関連用語]ワイヤレスマイクロホンマイクロホン