音のことば/あ行

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アース

地球や大地を意味するEarth(アース)からきており、地面を基準電位とみなして、電気回路の基準電位部を地面に接続し、地面の電位と等しくすることです。「接地」ともいい、Ground(大地)を略してGNDと表示することもあります。電荷を地中に逃がすことによって、過電流の電気機器への流出やノイズの発生を防いだり、感電の恐れを阻止したりすることができ、しっかりとアースを行うことが推奨されています。


アジマス

テープレコーダーにおいて、磁気ヘッドの間隙(ヘッドギャップ)の向きと、テープの走行方向がなす角度をアジマスといいます。本来これが90°になるようテープレコーダーは設計されていますが、90°を外れると高域特性が劣化します。また、録音時のアジマスと再生時のアジマスがずれると、トラック間の位相にずれが生じ、高域特性が悪化し、高音域に伸びがない音になります。


アッテネーター

アッテネーターとは、信号のレベルを減衰させる機器または部品のことで、主に抵抗器が利用されます。例えば、スピーカーアッテネーターは音量を調整するものです。アッテネータースイッチやボリュームもそのひとつになります。


アンプ

アンプとは、amplifierの略語で、増幅器の意味です。通常、音は電気信号に変換された形で、音響機器内で加工・編集されます。アンプは、微細な音響信号を加工に必要な一定のレベルまで増幅するための機器を言います。プリアンプヘッドアンプなど、用途により形態や名称が異なり、通常、スピーカーを直接駆動するためのメインアンプを指します。また、アンプに音の加工・編集機能を一体化したものを商品名としてアンプと呼ぶこともあります。


イコライザー

音声信号の周波数特性f特性)を可変させるための機器で、特定の周波数帯を強調または減衰させることにより、音質の補正や改善を行います。イコライザー本来の言葉としては、均一化(equalize)を意味しますが、より特徴的な音質を得るために、積極的に周波数特性を可変させる場合に用いられています。


位相

音波などの周波数振動において、ある時刻・ある場所で振動の課程がどの段階にあるかを示すもので、1周期を360°とした時の角度で表現されます。ステレオ再生においてスピーカーのプラス(+)・マイナス(-)の接続に誤りがあると、逆位相の音が放射されて互いに打ち消し合い、音量が下がるなど、正常な再生ができないことがあるので、注意が必要です。
【参照:極性


インターカム

放送局や劇場、ホールなどで使用される構内の音声通信設備のことで、通常「インカム」と略して呼ばれます。インターカムは、放送や舞台のプログラムを円滑に進めるため、ハンズフリーで同時に双方向の通信ができるようになっており、イヤホンとマイクを一体化したヘッドセットを多く使用します。


インターホン

同一の建物や同一の構内において交換機なしで双方向の会話ができる通信機器。ドアホンなどの住宅用のものから、工場や商業施設で使われる業務用のインターホン、病院で使われるナースコールなどがあります。通話方式にはボタンを押した方だけが送話し、ボタンを放すと相手から受話できる交互通話方式(プレストーク)と、両方で同時に会話ができる同時通話方式があります。


イントレ

イントレは、音楽イベントや演劇などで、音響機器や照明機器を設置するために、鉄やアルミのパイプを使って組まれる仮設の足場のことです。1916年にアメリカで製作された映画「イントレランス(Intolerance)」の撮影時に、スポットライトなどを設置するために仮設の組み立て式足場を多用したことから、このように呼ばれるようになりました。


インピーダンス

インピーダンスとは、交流回路(マイクロホンスピーカーの出力などに流れている信号)に対して抵抗(信号に逆らう力)として働くさまざまな要素の総称をいいます。一般にいわれている直流に対して働く普通の抵抗(純抵抗)と、交流に対して働く抵抗(リアクタンス)の合成された形です。単位は「Ω(オーム)」を使います。

→[関連用語]出力インピーダンスハイインピーダンスローインピーダンスインピーダンスマッチング


インピーダンスマッチング

インピーダンスとは電気回路に交流電流を流した時の抵抗値のことで、電気信号の伝送路や電気機器同士の接続において、送り出し(出力)側の出力インピーダンスと受け(入力)側の入力インピーダンスを合わせることをインピーダンスマッチング、または「インピーダンス整合」といいます。出力側と入力側(たとえばアンプスピーカー)のインピーダンスが合っていないと、エネルギーの反射や損失が起き、本来の出力値を伝えることができなくなりますので、インピーダンスマッチングが必要になります。


ウィンドスクリーン

マイクロホンに付けられる「風よけ」。マイクに風や話者の息が当たって雑音が発声しないよう付けられている、スポンジ状のカバーのことです。通常ウィンドスクリーンは、マイク本来の性能を妨げないように素材や構造などが考慮されています。


ウォールスピーカー

壁に取り付けられたスピーカーのことです。一般的に、劇場などで主に客席の側壁や後壁に設置され、拡声や効果音の再生などに使用されるものを指します。広い意味で捉えると、家庭用などで壁に掛けて使用される「壁掛型スピーカー」もウォールスピーカーに含まれます。


ウーハー

ウーハーとは、低域用スピーカーのことで、一般的にコーンスピーカーを大型のエンクロージャー(ボックスなど)に取り付けたものです。その特性上、高能率、高耐入力、歪率の低いことが要求されます。


エアモニター

エアモニターとは、ホールや劇場などの客席内の音響の状態をチェックするためのシステムのことで、通常天井からの吊りマイクやホール後壁に設置されたマイクなどによって、客席の音を収音します。


A/D変換

A/D変換とは、アナログ信号をデジタル信号に変換することです。
【参照:D/A変換


AUX

AUXはAuxiliaryの略で、アンプなどに搭載されている外部機器を接続するための入出力端子のこと。通常「エーユーエックス」と発音します。Auxiliaryには、予備や補助といった意味があり、AUX IN、AUX OUTと表示されます。


エコー

エコーとは、反響音を電気的に作り上げる機器です。ディレイ回路によって実現でき、効果用として電気的にフィードバックをかけて反復ディレイとして使われます。


SR

SRとは、Sound Reinforcementの略で、特に舞台や音楽に用いられる音響システムであり、通常の拡声放送システムに比べ、音質の向上や多チャンネル化が図られたものを指します。PAともに、野外での使用に耐えられるよう、堅牢性が求められます。


SN比

音声信号(Signal)の強さと雑音(Noise)の強さの比率のことで、S(信号)/N(雑音)で表されるため、SN比の数値が大きい程、雑音が少ない良好な音声信号であるといえます。単位はdB(デシベル)で表されます。


エフェクター

音声信号に加工を加えて、特別な効果(エフェクト)を与えるための機器のことです。エコー(残響)を付加したり、音にわざと歪みを与えたり、音質を悪くして古いラジオから聞こえてくるような音に加工したり、さまざまな加工ができます。通常、単独に効果音を作り出す機器はエフェクターとは呼びません。


f特性

fは周波数(frequency)のことで、周波数特性ともいいます。f特性は、アンプスピーカーなどの音響機器において、入力レベルを一定に保った状態で、周波数を変化させた時、出力がどのように変化するかをグラフなどで表したものです。グラフはX軸(横軸)に周波数、Y軸(縦軸)にdB(デシベル)で表された出力レベルをとった曲線になります。


MD

「Mini Disc」の略で、デジタル記録方式によるオーディオ用の小型光ディスクです。直径64mmのディスクがプラスチック製のカートリッジに収められており、最大74分の録音・再生ができます。小さく携帯に便利ですが、CDに比べ音声信号を1/5に圧縮しているため、その分MDはCDより音質が劣ることになります。


エンクロージャー

コーンスピーカーを単体で音を出した場合、コーン紙の前と後ろの音が互いに打ち消しあって、低音のない小さな音になります。これは、音の周波数が低いほど、打ち消しあいの現象が顕著に現れるためです。この音の打ち消し合いを防止するため、エンクロージャー(箱)にスピーカーを収め、大きな音と低音が出せるようにします。


オープンリールテープ

音楽を録音・再生するための磁気テープを単体のリール(テープを巻き取るための円形の枠)に巻きつけたもので、カートリッジ内にリールが内蔵されているカセットテープなどの方式と対照的に用いられます。オープンリールはテープがむき出しになっているため、扱いに注意が必要である反面、音源の頭出しがわかりやすく、テープを直接切ってつなぐといった編集作業が容易であるなど、操作性に優れている面もあります。


音圧

音圧とは、音が空気中を伝わるとき、粗密の波による圧力変化の大きさを指します。圧力変化の振幅が大きいと大きな音に聞こえ、振幅が小さいと小さな音に聞こえます。音圧の単位はPa(パスカル)またはμbarが用いられます。1Pa=10μbarです。
また、基準音圧を20μPaとして音圧をデシベル(dB)で表したものを音圧レベルといいます。


音響レンズ

音響レンズは、光がレンズによって収束や発散されるように、音を収束・発散させるための仕組みです。多くは、スピーカーに取り付けられたルーバーのような板状の構造物で、裏側は中央がえぐられていて音が通過しやすくなっています。反対に両端は音が通過しにくくなっており、そのために少し遅れる音がスピーカーから出た音を発散させ、広がり感をつくり出します。


音叉

音叉は、特定の音の高さを発する二叉に別れたU字型の金属製の器具で、楽器のチューニング(音合わせ)に用いられるものです。金属の先端近くを叩くと全体が共鳴し、雑音の極めて少ないラ(A)の音を発します。現在一般的には440Hzもしくは442Hzの周波数であるラを発するものが使われています。


音像

オーディオ装置で音楽を再生した時に、楽器や声を発する人が、その場所にあたかも存在するかのように再現される様子を表す言葉です。音像は、楽器などの配置(音源の位置)や音量のバランスなどを聴いた人のイメージとして感覚的に表現するもので、数値により定量的に表されるものではありません。


音の三要素

音の性質を決める要因の最も基本的なもので、音の高さ(周波数)、音の大きさ(音量レベル)、音色(ねいろ/おんしょく)の3つを合わせて音の三要素といいます。


音速

音速とは、音波が空気中を1秒間に伝わっていく速さです。音速(c)は温度の影響を受け、次式で表されます。
c(m/s)=331.5+0.6t (t:温度(℃))
つまり常温15℃のときは、c=340.5(m/s)となり、通常、秒速340mを音速として使用します。


音波

音が空気中を伝わるとき、空気の粒子の粗密の波を生じます。空気の粗密は、隣接する箇所に影響を及ぼし、空気中に次々と粗密の部分を作って、波になって伝わっていく様子を音波といいます。