音のことば/か行

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カーディオイド

マイクロホン指向性を表すパターンの一つで、マイク正面の音だけを強く拾う単一指向性のことを意味しています。指向性を表す曲線が「逆ハート型」であるため、心臓型を意味するカーディオイド(cardioid)と呼ばれるようになりました。ボーカル用のマイクは殆どこの特性を持っています。

カーディオイド/単一指向性

カクテルパーティー効果

カクテルパーティー効果とは、人間の耳が周りの人々の声やざわめきすべてを空気の振動として受け入れているにもかかわらず、聞きたい音だけを選び取って聞くことができる能力のことです。これは、「耳からの情報を脳が処理する際に特定の音源の音を選別処理をする能力」によるものと考えられています。つまり心理的レベルの認識による処理によって、聞きたい音を選び取っているといえます。

【外部リンク】 音空間:音のマメ知識 “聞こえ方”の不思議


カセットテープ

音声を録音・再生するための磁気テープで、テープ保護のため小型の容器(カセット)にテープやリールが収納されているものです。カセットテープは、コンパクトで取り扱いや持ち運びには優れていますが、テープが容器内に収められているため、オープンリールテープに比べ編集作業が難しくなります。


カットオフ周波数

アンプホーンスピーカーに使われることが多いことばで、周波数特性の限界を表します。また、エフェクターなどの音響機器では、高音の周波数または低音の周波数をどの部分からカットするか操作することにより、音質に変化を与えます。カットオフ周波数は、それ以上(または以下)をカットする周波数の値となります。


壁掛型スピーカー

=ウォールスピーカー


ガンマイクロホン

ガンマイクロホンは、ステージ上やロケの収録などにおいて、離れた距離から収音する際に用いられる指向性の鋭いマイクのことです。ガン(銃)に形状が似ていることから命名されました。
【参照:マイクロホン


キャノンコネクター

マイクロホンやビデオカメラ、アンプなどの音響機器の接続において広く利用されているコネクターで、キャノンプラグともいいます。ロック機構が付いているため、操作性や信頼性に優れています。アメリカのキャノン社が開発したため、キャノンコネクターと呼ばれるようになりました。


吸音

ホールやスタジオなどの音響施設において、壁や天井での音の反射波を吸収して反響を防ぐことを吸音といいます。また、スピーカーキャビネットの内部で音の反射を防ぐためにも用いられます。


吸音材

吸音を行うために用いられる材料のことで、音を反射しにくい素材でできています。一般的に表面がざらざらしたものが多く、ウレタンやスポンジなどの発泡素材、グラスウール、フェルトなどが代表的な吸音材です。


球面波

音の最も自然な伝わり方のことで、点である音源から発せられた音がすべての方向に等しく伝わり、音源から球状に広がっていくことを意味しています。これに対し、ある一方向にしか伝わらないものを「平面波」といい、球面波の対義語として使われています。

球面波

【参照:点音源平面波


極性

電気のプラス(+)とマイナス(-)、スピーカーのプラス(+)とマイナス(-)のことを極性といいます。特にスピーカーの場合、極性を間違えて接続すると、音量レベルが下がってしまうことや、音の定位が悪くなることがあるので、注意が必要です。

極性

【参照:位相定位


グースネック型マイクロホン

グースネックは、がちょうの首という意味で、グースネック型マイクロホンは、自由に曲げて固定できる構造の支柱を持ったマイクのことです。主に卓上や舞台上でスタンドに固定して使用されます。


グラフィックイコライザー

グラフィックイコライザーとは、周波数特性の補正に用いる機器のことで、可聴帯域をいくつかの帯域に分けて、各帯域ごとにレベルを調整して全体の補正を行ないます。主な用途は、音場の補正やハウリングの抑制です。通常、測定器で周波数伝送特性を測定し、ピークやディップのある帯域の中心周波数のつまみでレベルを補正します。


GND

Ground(地面)の略で、電気回路において、接地されて電位がゼロの部分を指し、回路において電位の基準となります。GNDは通常「グランド」または「グラウンド」と呼ばれます。
【参照:アース


クリックノイズ

録音テープなどの録音物に含まれる「プチッ」という瞬間的なノイズ(雑音)のことで、電気的な操作で録音に混入するものです。もともと英語のクリック(Click)は擬音語で、「カチッ」という音や舌打ちを意味し、そのような音がすることからクリックノイズと呼ばれています。


クリッピング

録音などにおいて、入力される音圧が機器の許容能力を超えてしまい、音が歪んでノイズなどが発生するような状態のことです。入力やミキサーのレベルを上げすぎてしまうと、クリッピングが起こりやすくなるので、録音の際はクリッピングが起きない範囲で入力レベルを調整する必要があります。


クロスオーバー周波数

2ウェイ以上のマルチウェイスピーカーシステムにおいて、各々のスピーカーユニットが受け持つ周波数帯域の境目の周波数のことです。クロスオーバー周波数をどこに設定するかは、そのスピーカーシステムの設計に重要なポイントになります。


コアキシャルスピーカー

コアキシャル(coaxial)は「同軸」という意味で、中低音部スピーカーユニットであるウーハーの前面の同軸上に高音部スピーカーユニットのツィーターが配置されているスピーカーシステムのことです。コアキシャルスピーカーは、スピーカーユニットの音源の中心位置が同じになるため、定位がよく、一体感のある再生音を得ることができるという特徴があります。


効果音

映画や演劇、テレビドラマなどで、演出意図を表現するために用いられる音楽以外の音を効果音といい、SE(Sound Effect の略)とも呼ばれています。昔は音響効果の専門家が道具を用いて擬似的に波の音や風の音といった効果音を作り出していましたが、最近はデジタル処理で効果音を作成しています。


ゴースト

アナログの録音テープで、本来の音が再生される前に、非常に小さい音量で本来の音と同じ音が聴こえる現象のことです。録音テープの磁性体の重ね巻きによって起こる転写に起因するもので、録音レベルが高いほど起こりやすくなります。デジタル録音では、ゴーストは発生しません。


コーラス

エフェクターの一種で、幅広い音の装飾を得ることができます。コーラスとは本来「合唱」の意味ですが、1本の楽器をあたかも複数で演奏しているような効果などが得られるため、コーラスと呼ばれています。


コーンスピーカー

コーンスピーカーとは、音をコーンから直接放射する機構のスピーカーです。帯域が広く音質が良いものの、ホーンスピーカーと比較して放射能率が悪く、音量が小さい。エンクロージャーに付けて使用します。


コラムスピーカー

コラムスピーカーとは、同種類のスピーカーユニットを数個、縦に平面状(あるいは曲面状)に配置したスピーカーのことです。学校の体育館や講堂などで、よく使われます。水平方向の指向性は、スピーカーユニットがひとつのものとほぼ同等ですが、垂直方向には音源が大きくなることで指向性が鋭くなります。この指向性を利用し、スピーカーからの直接音をマイクロホンで拾わないようにすることで、ハウリングを防止できます。


混信

混信とは、広い意味で、他の送信が混ざって受信されることです。ワイヤレスマイクロホンの混信には、使用しているワイヤレスマイクロホンと妨害しているワイヤレスマイクロホン周波数が同じ場合に起こる「同一チャンネル妨害」と、使用しているワイヤレスマイクロホンと妨害しているワイヤレスマイクロホンとの周波数の差が125kHzしか離れていない場合に起こる「隣接チャンネル妨害」の2種類があります。チャンネル計画を怠るなど、複数のチャンネルのワイヤレスマイクロホンを安易に用いると混信が起こります


コンデンサーマイクロホン

静電容量の変化を利用して、音声を電気信号に変換するマイクロホンです。コンデンサーマイクロホンは、2枚の振動板で音を拾う構造になっていますが、振動板を極めて軽くすることができるため、高域まで広い周波数特性を得ることができ、繊細な音が高音域まで伸びている楽器の録音に向いています。作動させるためにマイク自体に電源が必要になります。

コンデンサーマイクロホン

コンプレッサー

コンプレッサーとは、大振幅を抑制することでクリップひずみやスピーカーの破損などを防止する機器のことです。動作レベル(スレッショルドレベル:閾値)を設定し、その入力レベルより大きな信号に対して、信号に圧縮をかけます。圧縮比は、入力レベルの増分:出力レベルの増分(dB換算)として表現され、圧縮動作のないとき1:1、理論的な完全圧縮の場合は∞:1となります。圧縮比の高い動作状態を特にリミッターと呼ぶ場合があります。