TOA | 61期有価証券報告書
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当社グループは、①セキュリティ&セーフティ、②インフォメーション&コミュニケーション、③プロフェッショナルオーディオを事業領域とするメーカーとして、顧客ニーズを先取りし、高品質かつ自然や社会環境にも配慮した独創的な商品作りを目指し、音響、映像分野に加え、無線やネットワークなど通信関連の技術分野を中心に基礎技術、応用技術の研究及び新商品の開発を行っております。 これらの研究開発活動は、主に、当社が専門に担当しており、開発関連部門の人員は当連結会計年度末現在で219名であります。なお、当連結会計年度における研究開発費は、音響セグメントに係るものにおいては1,808百万円、セキュリティセグメントに係るものにおいては672百万円、その他、基礎研究に係るものにおいては342百万円、総額2,823百万円です。 なお、これら研究開発活動の成果として、発売した主な新商品は以下の通りです。 (音響セグメント) ・イベントコンパニオン、観光ガイド用途向けに、腰に装着して両手が自由な状態で拡声が可能な「ハンズフリー拡声器」を発売しました。本体の身体への固定は伸縮性のベルトで行い、簡単装着で動きながらの使用にも対応可能です。携帯型オーディオプレーヤーを接続すれば、音楽などのBGMを再生しながらの拡声が可能。直感的に操作できるボタンと大型回転式ボリュームの採用により、手袋等をはめた状態でも操作性に優れています。 ・情報を漏らさず、混信しない「赤外線マイクシステム」を発売しました。赤外線通信を使用したワイヤレスマイクロホンシステムで、電波と違い赤外線は壁などの遮蔽物を透過しないため、隣接する会議室や教室で同時に使用しても混信せず、また、外部からの無線傍受による盗聴も防止し秘話性に優れています。加えて、類似電波が多く存在する都市部においても、外来電波の影響を受けにくく、安定した通信状態を実現します。 ・明瞭性に優れたスピーカーシステム「ラインアレイスピーカー」シリーズを3タイプ拡充し新発売しました。ラインアレイとは、複数のスピーカーを垂直方向に近接配置し、線状の音源(線音源)を構成する技術です。水平方向のみに音を放射する特性を持ち、天井や床からの不要な音の反射を抑え、明瞭な音声を伝達可能です。加えて距離による音の減衰が少なく遠達性に優れるほか、スピーカー近接エリアと遠距離エリアで音量の差が少ない、ハウリングに強いなど、多くのメリットがあります。 今回発売したのは、横幅8.4cm、スリムでスタイリッシュな外観 の「typeH」、防球仕様で体育館に最適な「typeT」、スポーツ施設、音楽ホール向けの「typeC」の3タイプです。 ・専任の音響オペレーターが不要となる利便性の高い「デジタルミキサー D-2000シリーズ」を新発売しました。デジタル信号処理技術により、音質の劣化なく音声のミキシングを行うデジタルミキサーです。音声ミキサーとしての機能に加え、音作りに必要な様々なデジタル信号処理機能を一体化しました。最大で32系統の音声入出力を扱うことが可能で、本機一台で、中規模のホール・体育館などの音響調整を行うことが可能です。デジタル信号処理のメリットとして、あらかじめ行った音の調整などの設定を記憶し、ワンタッチで呼び出すことが可能です。専任の音響オペレーターが不在の物件でも、高度な操作を簡単に行うことができる高い利便性を有しています。 ・空間調和性を重視したデザインを採用した商業施設向け「BGMスピーカーシステム」を発売しました。商業施設等でのBGM再生用途向けの屋内用高音質スピーカーシステムです。ロンドン在住のインテリアデザイナーによるシンプルで現代的な意匠デザインを採用し、どんな空間にも違和感なく調和します。音質面ではフラットな周波数特性(癖が無く、原音を忠実に再生する)を持ち、BGM再生用途に最適です。 6 【研究開発活動】─ 20 ─

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