TOA | 平成21年3月期 決算短信
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当連結会計年度における日本経済は、原油・原材料価格の高騰により景気の減速懸念が高まる中、米国の金融危機に端を発する世界同時不況が波及し、企業業績の減少やそれに伴う雇用環境にも厳しさが増し、急速に景気の悪化が進みました。当業界におきましても官公庁・民間ともに設備投資計画の見直しなどにより、需要が減少し非常に厳しい経営環境が続いております。 海外においては、アメリカ地域では金融危機による景気の悪化が進行し、厳しい市場環境が続いております。ヨーロッパ地域の需要は概ね拡大傾向にありますが、一部の地域で景気減速による影響を受けています。アジア地域では、オリンピック需要が一巡した中国の景気が減速傾向にあります。 このような状況の中で、当社グループは、音響分野、セキュリティ分野ともに新商品の投入により、販売の拡大を図ってまいりましたが、景気低迷の影響を受け需要は減少しました。また生産面では、原材料価格の高騰が続く中、国内・海外生産拠点における生産性の向上に取り組んでまいりましたが、コスト上昇分を吸収するまでには至りませんでした。 売上高は、34,874百万円(前連結会計年度比 △2,635百万円、7.0%減)となりました。 国内販売は、年度後半から顕著となった景気低迷の影響を受け、設備投資計画の見直しなど需要の減少により、22,331百万円(前連結会計年度比△1,805百万円、7.5%減)となりました。 海外販売は、アメリカ地域では金融危機の影響により市場全体の冷え込みが加速しており、チェーン店舗向けBGM放送設備の売上が減少しました。ヨーロッパ地域の需要は概ね拡大傾向にありますが、英国市場は景気減速により低迷しています。アジア地域では、北京オリンピックに沸いた中国の景気が減速傾向になる中、アンプ、スピーカー等の中国専用品の市場投入、商品系列別の専門流通開拓などを行ないました。また、堅調に推移していたアセアン諸国の市場にも不透明感が出てきています。この結果、海外販売は、12,543百万円(前連結会計年度比△829百万円、6.2%減)となりました。 利益面では、販売費及び一般管理費の抑制効果があったものの、売上高の減少が大きく影響し、営業利益は2,845百万円(前連結会計年度比△1,367百万円、32.5%減)、経常利益は2,843百万円(前連結会計年度比△1,264百万円、30.8%減)となりました。また当連結会計年度から「棚卸資産の評価に関する会計基準」を新規適用したことにより、たな卸資産評価損115百万円を特別損失に計上しました。 これらの結果、当期純利益は1,707百万円(前連結会計年度比△322百万円、15.9%減)となりました。 音響セグメントの連結売上高は27,629百万円(前連結会計年度比△1,110百万円、3.9%減)、営業利益は4,906百万円(前連結会計年度比△754百万円、13.3%減)となりました。 国内販売は、オフィスビルのリニューアル需要や工場の増改築需要があったものの、百貨店など商業施設の設備投資計画の見直しなどから売上は減少しました。 海外販売は、ヨーロッパ地域では、建築案件への非常・業務兼用放送設備の納入などが増加しました。一方、アメリカ地域では全米の大手チェーン店舗の出店計画延期などによりBGM用アンプやページング用アンプの売上が減少し、アジア地域においてはオリンピックが閉幕した中国での建築案件の減少や金融危機以後の欧米大手企業の撤退による投資意欲の減退から売上が減少しました。 1. 経営成績(1) 経営成績に関する分析①当期の経営成績(セグメント別の状況)・音響セグメント-3-TOA㈱(6809)平成21年3月期決算短信

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