TOA株式会社 62期有価証券報告書
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当社グループは、①セキュリティ&セーフティ、②インフォメーション&コミュニケーション、③プロフェッショナルオーディオを事業領域とするメーカーとして、顧客ニーズを先取りし、高品質かつ自然や社会環境にも配慮した独創的な商品作りを目指し、音響、映像分野に加え、無線やネットワークなど通信関連の技術分野を中心に基礎技術、応用技術の研究及び新商品の開発を行っております。 これらの研究開発活動は、主に、当社が専門に担当しており、開発関連部門の人員は当連結会計年度末現在で225名であります。なお、当連結会計年度における研究開発費は、音響セグメントに係るものにおいては1,628百万円、セキュリティセグメントに係るものにおいては738百万円、その他、基礎研究に係るものにおいては391百万円、総額2,758百万円です。 なお、これら研究開発活動の成果として、発売した主な新商品は以下の通りです。 (音響セグメント) ・省スペースのシステムアンプ「壁掛型アンプ」を新発売しました。小規模施設の館内放送用途向けの、壁掛型のシステムアンプです。マイクロホンやCD等の外部演奏機器の入力機能、放送するスピーカー回線の選択機能など、小規模施設の放送設備に必要な機能を一体化しました。薄型の壁掛型の筐体を採用し、店舗のバックヤードや事務所など、スペースが少ない現場でも、すっきりと設置できます。同時発売するラジオチューナーは、本機に組み込んで使用でき、ラジオ体操など、ラジオ放送の内容をそのまま拡声することが可能です。 ・非常、業務用放送設備用「デジタルパワーアンプパネル」を新発売しました。パワーアンプパネルとは、拡声放送設備においてスピーカーを駆動するための商品です。通常はラックと呼ばれる専用筐体に組み込み、システムとして使用します。新商品は、通常の施設の館内放送用途に加え、火災などの非常時に火災感知器発報放送や避難誘導放送を行うための、非常、業務兼用放送設備向けのパワーアンプパネルです。従来のアナログ方式のアンプに代わりデジタル方式を採用し、大幅な小型化・軽量化、高効率化を実現しました。機能面、接続面では、従来システムとの互換性を確保しています。 ・J-ALERTや緊急地震速報、行政放送など、音声情報の配信に最適な「IP告知放送システム」を拡充しました。新商品は、屋外に設置された拡声器や施設内の放送設備に、IPネットワークを利用して音声を伝え、一斉に放送するのに最適なIP告知放送設備端末1機種です。特定の地域だけに向けた自治会放送や、設定したエリアを任意にグループ選択して地区別の放送が出来るなど、IPネットワークを活かしたシステムが構築できます。市場としては、自治体における災害時の避難場所、支援物資の受け渡し連絡などの「災害放送」や緊急地震速報などの「音声速報」に最適です。加えて、平常時の地域の連絡事項、気象情報などの「通常告知放送」にも活用できます。また企業のイントラネットを活用した、本社から支社への放送などにも有効です。 ・IPネットワークに接続可能な統合連絡システム「パケットインターカム」を拡充し、防犯機能を強化しました。「パケットインターカムシステム」は、施設内やイントラネットなどで接続された拠点間での専用端末による通話や、放送設備と連動した館内放送などの機能を持った統合連絡システムです。通話や操作を行う各種端末と、外部機器との連動ユニットなどで構成されます。社内LANなどIPネットワークに直接接続でき、専用の配線が不要で設置が容易、長距離間や広域施設の連絡システムを容易に構築できるなどのメリットがあります。今回の拡充は、緊急呼出や通話録音など、セキュリティ用途の機能が主となり、現行商品と組み合わせて使用します。新商品の発売にあわせてセキュリティ機能を追加し、システム全体の機能強化を実現しました。 6 【研究開発活動】20/101

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