道の駅「妹子の郷」 様

「道の駅「妹子の郷」」のイメージ画像

視覚障害者の方の施設利用を快適に。
白杖を画像検知し、トイレの場所を音声で案内。

概要

2015年8月、大津市和邇中に新しい道の駅「妹子の郷」がオープンしました。年間を通じて自然体験ができる地域にあって、湖西道路上では唯一の休憩施設であるため、日々多くの利用者で賑わっています。特産品販売所には、採れたての野菜やお弁当、お菓子などがずらり。大津市北部の食や風土を発信する拠点にもなっています。建設にあたっては、すべての人が快適に利用できる施設を目指してバリアフリーの設備が検討されました。そのなかでTOAがお手伝いしたのは、白杖を持つ視覚障害者の方にトイレの場所を報せる音声案内システム。画像から白杖を検知して音声を流す専用装置が導入されました。

納入情報

納入先 道の駅「妹子の郷」 様
納入品 白杖使用者向け音声誘導システム
納入時期 2015年7月
採用背景 「道の駅」は24時間利用できるトイレや休憩所をはじめ、さまざまな役割をもっています。健常者の方のみならず障害者の方にも広く利用していただくべき公共性の高い施設であることから、「白杖使用者向け音声誘導システム」の導入が検討されました。このシステムは、国土交通省が制定した『公共建築工事標準仕様書』にも記載されている、画像認識による音声誘導装置です。

課題と解決のポイント

課題

  • 白杖を使用される視覚障害者の方がトイレを利用されるときにのみ、場所を報せる音声案内を行いたい
  • 視覚障害者の方にとって負担をかけないよう、白杖以外の特別なものを必要としないシステムにしたい

解決のポイント

  • 画像認識技術により、カメラ映像から白杖を検知したときにのみ、トイレへと誘導する音声案内を行うシステムを構築
  • 日頃から使用されている白杖を画像認識で検知するため、利用者に負担をかけず、設置工事なども容易

詳細

背景

地域振興や交流、防災拠点としても使用される道の駅。すべてのお客様が快適に利用していただくために。

24時間利用できるトイレや休憩施設をもつ「道の駅」。「休憩機能」のほかにも、道路や地域の情報を発信する「情報発信機能」、町と町とが手を結び活力ある地域づくりに取り組む「地域の連携機能」を有しています。さらに最近では、3つの基本機能に加えて、災害拠点として一時避難所や防災倉庫等の「防災機能」を持たせた道の駅も整備されています。
2015年8月、大津市に新たな道の駅「妹子の郷」が建設されるにあたり、こうした施設をすべての人が快適に利用することができるように、バリアフリーの設備導入が検討されました。

課題

視覚障害者の方が日頃から使用されている白杖以外の特別なものを必要とせず、トイレを利用する際にのみ、必要な音声案内を行いたい。

設備導入にあたっては、車椅子利用者の方への配慮の他に、白杖を使われている視覚障害者の方への配慮も検討されました。視覚障害者の方が公共施設を訪れる際に困ることのひとつとして、トイレの場所の把握があります。専用の携帯発信機や白杖の先端にマグネットをつけてセンサーで感知して音声案内を行う方式などもありますが、それでは利用者に負担を強いることになる上、施設側も埋設工事など高コストの工事が必要になります。そのため、普段使用されている白杖に反応して音声案内が流れるシステムが求められました。また、音声案内がトイレ利用者すべてに反応して流れると、職員の方にも負担が生じるほか、肝心の視覚障害者の方が利用されるときにも確認ができません。音声案内を必要とする人が来られたときにのみ、必要な音声情報を伝達できるようにしたいという要望がありました。

解決策

画像認識技術により、白杖を検知したときのみ、音声案内を放送。

視覚障害者の方にのみ、トイレの場所を案内する放送を流すために、カメラ映像を画像認識装置で解析し、視覚障害者の白杖を検知すると、音声が流れるシステムをご提案。カメラ映像から白杖を認識する仕組みなので、利用者の方自身が白杖以外の特別なものを用意する必要も、施設側が大掛かりな工事を行う必要もありません。また、職員の方も音声案内の放送で視覚障害者の方の利用を把握することができ、付き添いなどの応対もしやすくなっています。コンパクトな専用装置に機能が集約されていて、設置場所も取らず、比較的容易に設置することが可能です。白杖の認識領域や音声案内の内容については、PCの設定ソフトから変更することができます。

  • 道の駅「妹子の郷」の24時間利用可能なトイレに設置された「白杖使用者向け音声誘導システム」。カメラで白杖を画像認識し、白杖使用者の方に向けてトイレの場所を自動的に音声案内する。(拡大写真左)画像認識技術により白杖を検知した場合にのみ、このスピーカーからトイレの場所を報せる案内放送が流れる。(拡大写真右)白杖を検知するために設置されたデイナイトカメラC-CV150D-3。低照度でも鮮明な映像を撮影することが可能。
  • (写真上)放送アンプと白杖を認識した際に流れる案内メッセージを収めたサウンドリピーターEV-20R。(写真下)白杖認識ユニット。以前はPCベースの大掛かりなシステムだったが、機能集約を行い、手の平に乗るコンパクトサイズに。

インタビュー記事

「トイレの場所が音声で詳細に案内されるので、便利です。庁舎などの公共施設にも導入が広がれば大変助かります。」

大津視覚障害者協会 会長

NPOテクテク大津 理事長

松浦 勝彦 様

「道の駅「妹子の郷」を利用されるすべてのお客様、観光客の方に、快適に利用していただきたいですね。」

大津志賀地域振興観光株式会社

道の駅 妹子の郷 観光コンシェルジュ

下村 悠子 様

「大津市北部の地域振興の拠点として、また地域の交流やいざというときの防災拠点として、より多くのお客様に訪れていただき、盛り上げていただきたいですね。」

大津市産業観光部 商工労働政策課

富田 直 様

-「白杖使用者向け音声誘導システム」の感想をお聞かせください。

松浦 氏

このシステムを利用したのは初めてで、最初に案内されたときは戸惑いました。頻繁に放送するのではなく、白杖を持った視覚障害者が通ったときにのみ放送が流れるので、的確に音声案内ができて非常に良い放送方法だと感じました。間違って女性用トイレに入ってしまうことがあるのですが、放送内容も男女のトイレの場所や多目的トイレの場所も詳細に案内されていたので安心でした。
このシステムを応用して信号機の手前に設置してもらえれば、横断歩道を渡るときに便利だと思います。また、障害者が1人で訪れることが多い市役所や県庁などにも設置してもらえると、非常に助かりますね。

-「妹子の郷」での白杖使用者向け音声誘導システムの使用状況はいかがですか?

下村 氏

当施設を訪れる交通手段が車しかないため、視覚障害者の方は付き添いの方とご一緒で、白杖を使われていないことが多いです。ただ、使用頻度は低くても、白杖を使われている方が来られたときには間違いなくご案内できるので、職員としては安心です。
「妹子の郷」では白杖使用者向け音声誘導システムのほかにも、バリアフリーに配慮した施設になっています。たとえば物販スペースには車椅子で来られるお客様もいらっしゃるので、通路幅は十分に取っています。段差もないので、不自由なくご利用していただいています。

-「妹子の郷」の今後の展望をお聞かせください。

富田 氏

たくさんのお客様にご利用いただき、現在の来場者数も当初の想定を上回っています。夏はとくに琵琶湖に泳ぎに来られる方も多いので、大阪や京都の方にも大津市北部地域の特産品を知っていただくことができ、地域振興にも一役買っていると思います。
公共の施設として一番大切なことは、利用される皆さんに気持ちよく使っていただけることではないでしょうか。最近の技術革新のおかげで障害者の方が外に出られる機会も増えてきているので、「妹子の郷」にもぜひ足を運んでいただき、「出かけてよかった」と感じていただけたらうれしいですね。今回導入したのは視覚障害者の方向けのシステムですが、このような取り組みを通して障害のある方がさらに安心して外出しやすくなる環境整備ができたらいいですね。

道の駅「妹子の郷」の概要

京都と滋賀県湖西地域を結ぶ湖西道路区間に初めて誕生した道の駅。大津市と国土交通省滋賀国道事務所が整備し、大津志賀地域振興観光株式会社が運営しています。滋賀県産木材で建てた建物は、ドライバーたちの休憩場所。道路情報を提供する施設や、特産品販売所・コンビニエンスストア・レストランが入る地域振興施設があり、防災拠点として地下には毛布や飲料水を保管する防災倉庫や自家発電設備も整っています。

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