函館競馬場 様

「函館競馬場」のイメージ画像

競馬場に来場されるさまざまなお客様が快適・安全に楽しんでいただける、ネットワークを活用した音空間づくり、音響システム。 

概要

夏の「北海道シリーズ」として、例年競馬ファンを盛り上げている日本で最も古い競馬場、函館競馬場。2010年6月には、リゾート地・函館にふさわしい、開放感あふれる競馬場としてリニューアルオープンしました。パドックの周囲に設置された屋内観客席「パドックシート」が新設されたほか、「雲の広場」「光の広場」といったサービス空間が設けられ、競馬ファンはもとより、家族連れや女性のお客様なども楽しんでいただける空間が広がっています。

TOAでは、メインスタンドの全面改修を通して、幅広い来場者が競馬やイベントなどのくつろぎの時間を快適に過ごしていただける音空間と、スタッフの方が操作・管理しやすい音響システムを実現しました。

納入情報

納入先 函館競馬場 様
納入品 デジタルミキサー D-2000シリーズ
デジタルパワーアンプ
ラインアレイスピーカー ・・・他
納入時期 2010年5月
採用背景 今回の改修は1970年に建てられた旧メインスタンドの老朽化にともなうもので、以前の放送設備は1994年に導入されたものを使用していました。施設全体の改築により、新たな施設に見合った機能を持つファン放送設備の導入を決定、フルネットワーク対応により、放送エリアをさらに細かく設定、音量・音質の調整の容易さ、トラブル発生時の故障箇所・内容の迅速な確認と対応できる点などが評価され、採用に至りました。

課題と解決のポイント

課題

  • 音量調整をより細かなエリアで行なえる音響システムにしたい
  • 機械トラブルが発生した場合に、的確に状況把握し、迅速に対処したい
  • 放送エリアの設定やアナウンス放送などの人為的なミスを少なくしたい

解決のポイント

  • フルネットワーク対応により、細分化されたエリアに調整された音量・音質で放送。パソコンで一括管理
  • 遠隔監視による運用面での優位性、トラブル発生時のリカバリー対応
  • デジタル化による設定・調整作業の省力化、操作性の格段の向上

詳細

背景

1970年に建てられたメインスタンドの全面改修を期に、音響システムもフルリニューアル

旧メインスタンドは1970年(昭和45年)に建てられたもので、かなり老朽化が進んでいました。日本中央競馬会の全体の競馬場改修計画に基づき、2008年9月よりメインスタンドの全面改修がスタートしました。それにともなって1994年(平成6年)から使用していた音響システムもリニューアルされることになりました。
新しく導入される音響システムについては、幅広いお客様の来場を目指して、「リゾート地の開放感あふれる競馬場」、「人と馬との距離が近い競馬場」をリニューアルコンセプトとして改修される新メインスタンドにふさわしい機能を持つ音響システムが検討されました。

課題

レースの運営を妨げない、必要なところに必要な音量の放送を届ける音空間、運営スタッフが操作・管理しやすい音響システムに

以前の音響システムは、競馬場内の細かなエリアごとの音量調整が容易ではありませんでした。お客様が多く入っている場所は音量を大きく、少ない場所はボリュームを落とすということは、従来の音響システムでは調整が大変でした。とくに、以前のスタンドは開かれた空間だったので、音が外に漏れやすく、音の制御や調整が非常に難しかったようです。また、これまでの放送設備は、機器が故障して放送が流れていなくても、現場スタッフからの連絡がないと故障箇所や故障内容がわからなかったため、運用に気を遣われていました。
競走馬は音に敏感で、レース前のパドック周回中やレース前に大きな音がすると、その音のせいで走る気をなくしたり、興奮して怪我をすることもあります。また、馬がいないときには、パドックでファン対象のイベントを行なう場合があります。来場ゲストを招いたイベントには音が必要になることが多く、同じパドックという場所でも、音が絶対に鳴ってはいけない場面と音が必要な場面があるので、音声の制御には非常に苦労されていました。

解決策

ネットワーク化・デジタル化を全面的に活用した音響システムを構築
場内への実況放送、BGM放送の操作、アンプ等を一括管理

函館競馬場の音響システムは、フルネットワークを採用して設計・施工したJRAでは初めての競馬場になります。実況放送室で、場内への実況放送、BGM放送を操作するほか、各エリアに設置したアンプ等を一括管理することができます。
放送操作卓で放送に関するすべての調整および運用管理が可能になりました。あらかじめ設定した音量、音質、スピーカー間の遅延時間を登録し、それらを開催形態に応じて呼び出すことができます。各放送エリアの音量は、開催中はリアルタイムに調整し、登録することができます。これにより、以前のスタンドと比較して、細分化されたエリアでの音量や音質の調整が簡単にできるようになったほか、開催前の各種放送の設定も記憶しておけるので省力化できました。故障が発生した時点でどこの場所でどのようなトラブルが発生したのかが実況放送室のパソコンでリアルタイムにわかるので、例えばアンプが故障した場合にすぐに予備のアンプに切り替えるなど、緊急時の対応が迅速に行えるようになりました。
その他、メインスタンドの大屋根用(4箇所)に、防滴型の「ラインアレイスピーカーtypeA」が採用されました。メインスタンドのお客様に明瞭な実況放送、BGM放送を届けています。
また、非常用放送設備も納入しており、函館競馬場の安全・安心をサポートしています。

  • メインスタンド
    (拡大画像左)メインスタンドの大屋根に設置された防滴型のラインアレイスピーカー。 SR-A12LWP (1台)、 SR-A12SWP (2台)、サブウーハー SR-A18B (1台)の組み合わせで、メインスタンドの観客にファン放送を届ける。
    (拡大画像右)メインスタンド2階後方に設置されている防滴型コンパクトスピーカー BS-1020B
  • 実況放送室
    実況放送室にある「放送操作卓」、「実況放送室コントロール架」。この部屋で場内への実況放送、BGM 放送等を操作するほか、放送機械室や各エリアの音響機器架に設置したアンプを一括管理している。
  • 実況放送室のコントロール架
    実況放送室のコントロール架。
  • ファン放送設備の放送操作卓
    ファン放送設備の放送操作卓。専用のソフトウェアをインストールしたパソコンで各種操作、設定を行なう。放送操作卓の席から函館競馬場のコースが一望できる。
  • 放送機械室にあるラック音響機器架
    放送機械室にあるラック音響機器架。 D-2008SP のほかにも、デジタルパワーアンプ、ネットワークオーディオアダプター、設定・操作用のパソコンが納められる。
    (拡大画像) D-2008SP 専用のソフトウェアがインストールされたパソコン。各種操作、設定などを行なう。
  • 副電気室2にある音響機器架
    副電気室2にある音響機器架。

インタビュー記事

「お客様にも現場スタッフにも優しい音響システム。幅広い層のお客様に足を運んでいただける競馬場にしたい」

日本中央競馬会 函館競馬場 施設設備課 設備係

齋藤 裕之 氏(写真上)

「現場での音量調整や音響機器の操作・管理が格段に改善。さらに利用しやすい快適な競馬場にしたい」

JRAファシリティーズ株式会社 函館事業所

神戸 洋 氏(写真下)

-音響設備をリニューアルされた感想はいかがですか?

齋藤 氏

函館競馬場は他の競馬場に比べてコースも狭く、施設も小さいので、音響の管理を徹底しなければ音が漏れて馬に迷惑をかけてしまい、ひいては競馬ファンに迷惑をかけることになります。以前のメインスタンドは開かれた構造だったので、音が外に漏れやすく、パドック周辺の音量を制御することに非常に気を遣いました。
今回の改修で音響システムが新たに整備されたこともありますが、スタンドの構造が一新され、パドックなどの外の施設から遮断されたため、放送の有無の切り替えや調整が大変楽になりました。

神戸 氏

瞬時にお客様や運営スタッフからの要望や故障などに対応できるという点では、デジタル化したメリットは大きいと思います。音量や音質の調整、機器の遠隔監視がすべて、実況放送室にあるパソコンで簡単に操作できるという点、以前のメインスタンドと比較してもさらにエリアも細かく設定されている点は現場でも非常に助かっています。お客様や競馬関係者からの改善要望も聞かなくなりました。仮に改善要望を出されたとしても、音量調整は格段に楽になりました。

JRA初の、パドックの周囲に観覧席を設けた「パドックシート」。前方の大型ビジョン「パドックシアター」に映る迫力のレース映像を、冬でも快適に楽しむことができる。
-今後の展望をお聞かせください。

齋藤 氏

今のメインスタンドは家族連れで来ても楽しめるように、キッズコーナーや「緑の広場」などが充実していたり、馬とのふれあいが楽しめる「ふれあいパドック」といった施設が充実しています。JRA初の「パドックシート」も快適で、以前に比べて長い時間滞留するお客様が増えました。
女性のお客様が多く来場することによってさらに女性の方がもっと来場しやすくなるし、お子さんのうちから競馬場に足を運んでいれば、将来大きくなったときに抵抗なく競馬場に来ていただけます。本格的に競馬を楽しみたい方にも、お子様連れのファミリーにも、女性同士のお客様にも幅広く来場していただいて、それぞれに楽しんでいただき、競馬に親しんでいただければ嬉しいです。

お子様連れのファミリーでも安心して遊べる「緑の広場」の遊具施設。
函館競馬場の概要
JRA函館競馬場

日本中央競馬会にある10競馬場の中でも一番歴史のある競馬場。津軽海峡、函館山が一望できる恵まれた環境にあり、日本で唯一海が見える競馬場としても知られる。例年、夏季「北海道シリーズ」の前半戦として、6月~7月に開催され、熱いレースが繰り広げられている。開催日以外は場外発売所「パークウインズ」として利用されている。
「リゾート地の開放感あふれる競馬場」、「人と馬との距離が近い競馬場」として、地元北海道・函館の競馬ファンだけでなく、広く本州から旅行を兼ねて来られる競馬ファンも広く楽しませている。

導入商品

関連ソリューション

ページトップへ