三田市本会議場 様

「三田市本会議場」のイメージ画像

情報公開や多目的利用、スムーズな議会運営に貢献する赤外線会議システム。

概要

JR福知山線の複線電化や大規模な北摂ニュータウンの開発にともない、大阪・神戸のベットタウンとして目覚ましい発展を遂げている三田市。耐震性の課題などにより市庁舎の建て替えが決まり、地上6階建ての新庁舎が2015年1月に完成。それにともない三田市本会議場は、開かれた議会として市民が利用できるように配慮された可動式の議会場に生まれ変わりました。
TOAでは、可動式の新しい三田市本会議場への議場AV設備の納入を通して、多くの市民の方が議会の傍聴やネット中継を視聴しやすく、定例会以外にも市民の方が多目的用途で利用できるような議会環境を提供しています。

納入情報

納入先 三田市 様
納入品 赤外線会議システムTS-900シリーズ
制御コントローラー
操作用PC(議会運営ソフト)
デジタルミキサー D-901
デジタルパワーアンプ DA-150FH
広指向性天井埋込型スピーカー F-2321C
納入時期 2014年12月
採用背景 1960年の建設以来、50年以上にわたって市政を担ってきた三田市の本庁舎が耐震性や老朽化のため、建て替えられることになりました。本会議場は新庁舎の6階に新たに設けられることになり、委員会で新しい三田市本会議場の設計などについて議論されました。より開かれた議会として年4回の定例会以外にも、多目的に利用できるようにと、可動式の議会場が採用されました。

課題と解決のポイント

課題

  • 会場の設営や柔軟にレイアウト変更しやすい可動式の議員席、執行部席を採用するため、配線などの取り回しがしやすい設備にしてほしい
  • 議会場は多くのマイクがあり、発言者も多いため、ハウリングも起きやすく調整に手間がかかる
  • 傍聴に来られる市民の方や議会中継を視聴される市民の方が、不自由なく傍聴でき、中継を見られるように情報発信したい
  • 議会開催時のマイク操作やカメラ位置の調整などの作業を省力化したい

解決のポイント

  • 赤外線方式による簡単設置、明瞭拡声が可能なコードレスの赤外線会議システムにより、配線を気にすることなくさまざまな会議形態やレイアウト変更が可能
  • 指向性の高いマイクやデジタルミキサーの調整により、ハウリングが起きにくい音環境を構築
  • 赤外線会議システムをコントロールする議会運営ソフトウェアにより、マイクやカメラシステムの制御を行うとともに、その音声や映像を会場のモニターやネット中継に配信。より傍聴・視聴しやすい環境に
  • 操作用PCに搭載された議会運営ソフトウェアと表示用PCにより、システム全体を集中制御し、スムーズな議会運営をサポート

詳細

背景

老朽化などにより市庁舎を建て替え。開かれた三田市議会としてさまざまな検討を実施。

三田市議会は三田市役所本庁舎内にある本会議場で行われています。1960年の本庁舎建設以来、50年以上に渡って、年4回の定例会や委員会などにより市政の運営を行ってきました。また、議会場の有効活用という点では、市民に議会の進捗を報告する議会報告会、最近では次代の市政を担う子どもたちを議会に招く子ども議会などの催しも開催するなど、議会に関心をもっていただき、足を運んでいただく取り組みを行ってきました。
耐震性の課題や老朽化、狭隘化により三田市庁舎が2015年1月に新たに建て直されることになり、三田市本会議場もどのような議会場にするべきか、議員が集まり委員会で議論されました。その中で、さらに開かれた議会として身近に感じていただけるように、他の自治体などでも取り入れている定例議会以外での本会議場の多目的利用を考慮した可動式の議会場が検討されました。

課題

可動式の議会場の採用により、多目的利用に配慮した議場AV設備を検討。

可動式の議会場は、参加者の増減や多目的利用において、柔軟にレイアウトを変更することができるというメリットはありますが、会議システムが有線式の場合は席の移設の際にケーブルの接続作業などに時間がかかってしまいます。また議会場の場合は、発言者も多く、マイクも多数使用されるため、非常にハウリングが起こりやすい環境になっています。実際に以前の三田市本会議場でも、ハウリングなどの調整にかなりの手間がかかっていました。また、議会の傍聴やネット中継などを視聴される市民の方に、より議会の様子をわかりやすくご覧いただくために、カメラ映像の利用は欠かせないものになっています。三田市本会議場では手話対応を以前より行っていますが、地域に、市民に開かれた議会として、さらに傍聴、視聴しやすい環境が求められました。そのほか、運営上の課題としては、マイク操作、カメラ調整などの細かな調整などを一元管理し、議会運営の省力化につながるシステムが求められました。

解決策

コードレスの赤外線会議システムにより、レイアウト変更も容易に。議会運営ソフトウェアによる集中制御で、スムーズな議会運営が可能。

新しい可動式の三田市本会議場には、赤外線方式で簡単に接続でき、明瞭な拡声が可能な赤外線会議システムTS-900シリーズが採用されました。コードレスのシステムのため、さまざまな会議形態や席のレイアウト変更に対応し、煩雑な配線作業が不要です。メモリーカードレコーダーをセンター装置へ接続することで、会議録の作成に不可欠な会議内容の録音が、明瞭な音声で行うことができます。
専用の議会運営ソフトウェアを使用することで、赤外線会議システム全体が集中制御でき、スムーズに議会を運営することができます。会議ユニットの発言状態に合わせて、設定済みのカメラポジションの呼び出しやテロップ表示が連動。出席人数や発言時間、時刻などのモニター表示が容易に行えるようになっています。
また、指向性の高いマイクとデジタルミキサーによる音響調整により、ハウリングの起きにくい音環境が構築されています。

  • 議長席に設置されている赤外線会議システムの議長ユニットTS-901。指向性の高いマイクとの組み合わせでハウリングも抑制。
  • 執行部席の赤外線会議システムの参加者ユニットTS-902。すべての席に、着席発言、立席発言に対応したロングマイクが設置されている。
  • 天井に設置されている赤外線会議システムの高天井用送受光器TS-907。7台で本会議場全体をカバーしている。
  • 議場制御架の赤外線会議システムのセンター装置TS-900。
  • 議会事務局席にある赤外線会議システムの議会運営ソフトウェアが入った操作用PC。システム全般の集中制御を行うほか、カメラの制御やテロップ表示などが可能。
  • 出席議員の様子を表示するモニター。画面右上には手話用カメラの映像を表示。
  • 出席議員の映像とともに、発言残時間、出席議員者数を表示する大型モニター。
  • 議席が可動式のため、コードレスで設置できる赤外線マイクユニットを採用。レイアウト変更や多目的利用の際の席の移動が容易。

  • 委員会室のAV設備には、赤外線会議システムTS-800シリーズを採用。委員会の参加者数、席レイアウトにも左右されず、柔軟な対応が可能。
  • 委員会室にある制御機器架。赤外線会議システムTS-800シリーズのセンター装置3台が設置されている。

インタビュー記事

「市民に開かれた議会として、多くの方が市政に関心を持って、傍聴やネット中継を視聴しやすい三田市本会議場にしたい。」

  • 三田市 議会事務局 議事総務課 課長
    平尾 和明 氏
  • 三田市 議会事務局 議事総務課 主査
    森鼻 大介 氏
-可動式の議会場を採用されたのはなぜですか?

平尾 氏

新しい議会場の設計や仕様については、市議会議員による委員会の中で議論されました。三田市議会では、以前から年4回の定例本会議以外に、議会から市民の方々にさまざまな議題の進捗を報告する「議会報告会」や、議会をもっと身近に感じ、多くの市民のみなさんに議会に来ていただく取り組みのひとつとして、子ども議会「三田っ子議会」を開催しています。「三田っ子議会」とは、三田市の未来を担う子どもたちに市政に対する質問や提案をしてもらうこと等を通じて、地方自治体の運営のしくみを体験的に理解し、政治への関心を深めてもらうことを目的としています。このように議会場の多目的用途での利用と、開かれた議会で市政に関心をもってもらうといった理由で可動式の議会場の採用が決定されました。

-新しい議場AV設備の使い勝手はいかがですか?

森鼻 氏

以前の設備は平尾がマイク担当で、私がカメラの位置をあわせるといった分担作業を行っていました。現在の設備ではソフトウェアで集中制御できるので、マイクで発言者の音を拾い、カメラが寄って、それをテロップでモニターに表示させる。これらの作業がかなり省力化されました。
議会場はマイクの数も多く、多くの方が発言されるので、非常にハウリングが起きやすい環境でした。以前の議会場では音響面での調整が大変だったのですが、新しい議会場になって、指向性の高いマイクを採用、デジタルミキサーの音響調整により、先の定例会ではハウリングは一度も起こりませんでした。カメラの画素数も上がって、傍聴者の方も大きなモニターで発言残時間なども含めて一括で見ることができるようになって、見やすくなったという意見も聞いています。
以前の議会場でも手話カメラを導入していましたが、新しい議会場では4台のカメラのうち1台を手話用のカメラに振り分けました。以前と違って、どこに立って手話をしていただいても、ズームで寄ってモニターに表示させることができるようになりました。

-今後の展望をお聞かせください。

平尾 氏

今回の三田市本会議場は、市民の方への情報公開という点では、“開かれた議会”としてさまざまな設備が整っています。誰が来られても、「また市議会を傍聴してみたい」、「中継があるから、また見たい」と思っていただけるように、広報活動も含めて市民の方にさらに関心を持っていただけたらと考えています。
また、これからの展望については、議員の皆さんでよく議論いただき、その内容を実現できるよう取り組んでいきたいと思います。

三田市の概要

三田市は、兵庫県の南東部に位置し、神戸市の市街地より六甲山系を越えて北へ約25km、大阪市より北西へ約35kmの圏域にあり、北は篠山市、東は宝塚市、猪名川町、南は神戸市、西は加東市、三木市に接している。
昭和33年7月に市制を施行し現在に至っており、2015年5月1日時点の人口は114,289人となっている。三田米などの農業、三田牛などの畜産業が盛んで、最近では大型産業団地「北摂三田第二テクノパーク」の開発が進められるなど、産業の新たな拠点として、企業誘致が積極的に行われている。

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