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the masterpiece of TOA

緊急地震速報システム
緊急地震速報システム

大きな揺れが来る前に地震発生を知らせる、減災のための最先端技術「緊急地震速報放送システム」。

もうすぐ地震の揺れが来るとわかっていれば、あなたはガスの火を止め、危険な場所から安全な場所へ移動できるかもしれない。それを可能にするのが、気象庁が進める減災のための取り組み「緊急地震速報システム」。その仕組みはこうだ。日本には全国約1,000カ所に地震計が設置されている。地震が発生するとP波とS波の2つの地震波が起こる。P波は揺れは微弱だが伝播速度が速く、S波は伝播速度は遅いが大きな揺れを起こす。地震災害はS波到達によって引き起こされるため、震源に近い地震計がP波をとらえた時点で震源の位置や深さ、地震の規模(マグニチュード)、発生時刻を瞬時に推定し、その情報を専用線やインターネットなどのネットワークを使ってリアルタイムに各所に知らせて、その場所にどれくらいの規模のS波(地震)がいつ来るかを推定できれば、S波が到達する前に避難行動ができるというわけだ。訓練していれば、5秒ほどの時間があるだけで十分に活用することが可能だという。



TOAは、この地震速報を公共の場の多くの人のために役立てるには、放送設備が果たす役割が大きいと考えた。そこで情報受信システムメーカーと業務提携し、受信端末を自社の拡声放送設備に組み込んで音声情報を流す「緊急地震速報放送システム」を構築したのである。これにより緊急地震速報を端末が受信し、その地点での地震の影響を解析して被害の恐れがあれば、例えば「10秒後に震度5の地震が来ます」といった放送を流すことが可能になった。これまでは実証実験の段階だったが、2006年8月1日から現時点で情報を提供しても混乱が生じないと考えられる特定分野において、利用を希望する事業者への使用が許可された。例えば工事現場などの訓練された作業員だけ、電車の運転手だけに情報を伝えるなどだ。すでに引き合いも多い。余談であるが、不特定多数への情報伝達が許可されていないわけは、緊急地震速報自体がまだ周知不足のため、地震発生の情報を放送で流せばたちまちパニックを引き起こす可能性があるからだ。このため、現在さまざまなメディアでその存在を紹介し、広く認知される取り組みが国をあげて進められている。誰もが知るようになれば、公共施設、駅、百貨店など多くの人が集まる場所はもとより、一般家庭への導入も進み、減災に大きく役立つだろう。

官民一体となり、システムの普及に力を入れている


プロダクトマネージャー 廣瀬拓央

プロダクトマネージャー
廣瀬拓央

「緊急地震速報は地震の予知ではなく、実際に起こった地震を素早くネットワークで伝える世界最高レベルの先端技術。地震大国の日本では非常に需要の高いものです」とプロダクトマネージャーの廣瀬拓央は語る。そもそもTOAが「緊急地震速報放送システム」を開発したきっかけは、NPO法人リアルタイム地震情報利用協議会に参加したことによる。協議会には学識経験者やさまざまな企業が集まり、国内外の関係機関と協力して緊急地震速報の活用による世界規模での地震災害軽減への貢献を目的に活動している。そこでTOAは、放送設備が果たす役割の重要性を伝え、実証実験への参加や業界への助言・提案を行っているのである。
「とはいえ、放送設備の仕組みを理解していただくのは大変でした。例えば非常放送設備を使えば、停電時でも火災放送のように地震放送ができると思われますが、実際には法律で禁じられています。それら細かな点を一つひとつ説明していきました。でも逆に放送設備が大事ということを理解していただく良い機会になりました」。すでに協議会と連携して地震のサイン音を作った。標準化すれば、パトカーや救急車のようにこの音を聞いただけで地震が発生したとわかる。放送で流す内容についても協議会と検討する予定だ。「ビジネスである以前にTOAの機器が少しでも減災に役立てばと願っています。地震はいつ起こるかわかりませんので一日も早く不特定多数への放送が許可されるように国もTOAも緊急地震速報をアピールしなければいけません。そして今後さらにさまざまな関係機関と連携し、緊急地震速報を利用して放送するだけでなく、連動してガスやエレベータを止めるシステムも普及させていきたいと思います」。



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