HOME採用情報 新卒採用 the masterpiece of TOA デジタルパワーアンプ

the masterpiece of TOA

デジタルパワーアンプ
デジタルパワーアンプ

小さく、軽く、そして超省エネルギー。

CDプレーヤやマイクなどの外部入力を増幅して、スピーカーから出力する「パワーアンプ」という製品がある(製品情報はこちら)。今回TOAで開発を手がけたのは、スタジアムや空港などで使われる、業務用のパワーアンプ。構成はシンプルで、電源スイッチ、入力端子、ボリューム、そして出力端子である。
  実際にスタジアムなどで使われる場合には、ラックにこれらを組み上げて使う。大規模な会場になれば、ラックそのものがズラリと並ぶこともしばしばだ。だが、従来のアナログ式パワーアンプには、一つ問題があった。熱くなるのである。プロジェクトリーダーの河合祐馬は、アナログ式の問題点を、こんなふうに説明する。

オーディオ開発チーム

オーディオ開発担当 河合祐馬

「たとえば従来のアナログ式では、1,000Wの出力をさせるのに、なんと2000wもの電源が必要だった。1,000W分は音として出力するが、残りの1,000W分は、全て熱として放出されていたのです。このため自然と装置は熱を持ち、熱くなっていた」

このため機材の置いてあるスペースには熱気がたちこめ、膨大な電力を無駄遣いすることになっていた。そこでTOAが開発したのが、デジタル方式のパワーアンプ。 デジタルパワーアンプとは電力増幅にスイッチング電源と同様のスイッチを使用し、スイッチをオンにする時間をオフに比べて長くすることで音量を大きくし、逆に短くすることで音量を小さくする。これにより、わずか1,200Wの電源で、1,000Wの出力が可能になった。サイズもぐっと小さくなり省スペースで、コストもアナログ式に比べ、設計次第では安くすることも可能だ。ただし、開発では大きな問題に突き当たった。

「スイッチの入り、切りを連続して行うわけですから、そのたびにノイズが出る。これが装置自身を誤作動させて、ひどいときには破損の原因になるのです。開発プロジェクトが始まったのは2002年の秋。いくどもカット&トライを繰り返し、開発のめどがついたのは、2004年の終わり頃でした」

(オーディオ開発担当グループリーダー・河合祐馬)


とはいえ、目処がついたのは回路のおよその設計のみ。以前に比べれば格段に発熱が少なくなったとはいえ、最大200W分の熱が放散される。ちょうど電球約2個分に匹敵する熱が、狭い筐体の中で常に発生するのだ。筐体設計を手がけた堀之内智裕が語る。


オーディオ開発担当 堀之内

「ファンで強制排熱するのですが、筐体内部は高密度で回路が実装されている。この入り組んだ装置の中の発熱部位に風が通るようにしなければならない。試作しては評価することを繰り返し、およその設計を完成させるのに、約2カ月かかりました」

(オーディオ開発担当・堀之内智裕)


いっぽう、ノイズ対策でも課題が残っていた。装置自体は安定に動作するようになったものの、装置外部に漏れ出すノイズ対策が未解決だったのである。高速度のスイッチングを繰り返すデジタルアンプからは、ちょうどAMラジオに干渉する帯域のノイズが出る。この部分の対策を担当したのが、入社から間もない時期だった東海林雅幸である。


オーディオ開発担当 東海林

「電子機器から出るノイズは、規格が定められて制限されているのです。EMC(Electro-Magnetic Compatibility) といって、この規格を超えるノイズを出してはいけない。フェライトコアやコンデンサなどのノイズ対策部品を使用して対策するのですが、これがどのくらい効くのか、実際にやってみないとわからないのです」

(オーディオ開発担当・東海林雅幸)


開発の過程では、専門の試験サイトに幾度も通い、性能が出るまで、測定を繰り返したという。入社間もない頃から、この試験に幾度も立ち会った、2007年入社の掛田公宏は、こんなふうに当時の印象を振り返る。


オーディオ開発担当 掛田

「この施設は電磁波を測定する標準サイトで、ここで測定したデータは世界に通用する品質の証しになる。スペースは体育館くらいの広さがあるのですが、壁といわず天井といわず、一面が四角錐状の電波吸収材で覆われていて、壮観でしたね」

(オーディオ開発担当・掛田公宏)


このように果てしなく実験を繰り返し、ついにデジタルパワーアンプは完成。日本をはじめ、米国、カナダ、EU、中国、韓国、台湾の各バージョンも完成し、全世界で順次リリースされた。従来に較べ約半分以下の電力消費という超省エネ、筐体の大きさも約半分という画期的なこの商品は、世界の圧倒的な支持を得るに至ったのだ。


「弊社はこのように、開発の一番最初から量産に移管するまで、プロジェクトの全てに関われる。商品がヒットすれば、その手応えをじかに感じることもできる。音が好きでモノづくりが好きな人、何にでも興味を示せる好奇心旺盛な人には、是非来ていただきたいですね」

(オーディオ開発担当グループリーダー・河合祐馬)



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