なるほど音の教室
テーマハウリング問題を解決する



 

* 1.ハウリングの原理とその抑制

* 2.従来のハウリング抑制における問題点

* 3.これからのハウリング問題の解消には

1ハウリングの原理とその抑制


(1)ハウリングが発生する原理
ハウリングはマイク〜アンプ〜スピーカー間でループ状態ができてしまうために起こります。マイクとスピーカーが同じ空間にある場合、スピーカーから出た音をマイクが拾ってしまう事があるのです。その拾った音をアンプが増幅しさらに大きな音で拡声し、またマイクで拾って・・・という繰り返しによりハウリングが発生します。
けれども、マイクに対して喋った声がそのまま大きくなっていくのではなく、「キーン」や「ボー」という音で大きくなっていくのはなぜでしょう?実はハウリングの「キーン」「ボー」という音は、ハウリングを起こしている周波数成分がループの中でどんどん大きくなっていっている音なのです。このハウリングを起こす周波数成分は空間によって異なります。また同じ空間でもその状態に応じて変化することがあります。

図表

(2)ハウリング抑制の方法
ハウリング抑制の手段として多く用いられているのが、

グラフィックイコライザなどでハウリングを起こす周波数成分をカットするやり方です

*グラフィックイコライザによるハウリング抑制の調整方法については、こちら

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2従来のハウリング抑制における問題点

(1)音質が劣化する
「ハウリング抑制の設定を行なったら確かにハウリングは起きなくなったが、音が悪くなってしまった。」という声を耳にすることがあります。

理由1:カットできる周波数帯域の幅が広い
グラフィックイコライザなどを用いたハウリング抑制においては、機器の性能上カットできる周波数帯域の幅が広くなってしまいます。つまりハウリングを起こす周波数成分をカットするときに、同時にその周辺のカットしなくてよい周波数成分までカットしてしまっている場合が多いのです。
図表

理由2:ハウリングの原因でない音楽系の音にもハウリング抑制の処理が行なわれている
ハウリングはマイク音声によって発生します。しかし一般的な音響システムでは、マイク音声と音楽系(CDプレーヤやカセットデッキなどの再生音)の両方に対してハウリング抑制の処理がなされてしまっている場合がほとんどです。つまりハウリングを起こす周波数成分のカットはマイク音声だけに行なえばよいのですが、音楽系にもその処理を行なってしまっているのです。
図表

これらの理由により音質を損ねてしまい、「音が悪くなってしまった。」となってしまうのです。

(2)ハウリング抑制の設定が難しい
グラフィックイコライザなどを用いたハウリング抑制の設定には、ある程度の音響知識が必要とされます。学校の体育館や会議室などで、一般の方が設定を行なうのはなかなか難しいのが現状です。
実際にはハウリング抑制の設定が行なえるグラフィックイコライザやデジタルプロセッサ(デジタル信号処理器)が音響システムに組込まれていても、それらがきちんと設定されておらず、ハウリングの抑制に役立っていないケースもしばしば見うけられます。

(3)事前に設定しておいても新たなハウリングが発生する
せっかく事前にハウリング抑制の設定を行なっておいても、実際にマイクによる拡声がはじまると突発的に新たなハウリングが発生することがあります。
これは事前に設定を行なっているときには存在していなかった別のハウリングを起こす原因が、状況の変化により新たに発生するためです(当然これに対しては抑制のための設定はされていないためハウリングが発生してしまいます)。例えば、マイクやスピーカーの位置が移動したり、話者の声が小さいためにマイク音量を上げてしまったときなどに新たに発生しやすくなります。
このような新たに発生したハウリングに対しては、音響オペレータがあわててマイク音量を下げたり、マイク位置を移動したりすることによって対処できますが、実際には専任の音響オペレータを用意したり、話者がハウリングを気にしながら話すことに集中するのは大変です。

3これからのハウリング問題の解消には

これまでのハウリング抑制には前項②で述べたような問題がしばしば起こっていました。これからはこれらの問題を考慮したハウリング抑制を行なうことが求められます。そこで、TOAでは新しいハウリング抑制機器として<デジタルプロセッサ DP-M3 >を発売しております。 DP-M3 を使用すればこれまでのハウリング問題を解消できます。

(1)音量が劣化しないようにハウリング抑制を行なえます。
カットできる周波数帯域の幅が狭い
DP-M3 ではデジタル信号処理技術を用いることでカットできる周波数帯域の幅をより狭くしています。つまりカットしなければならない周波数成分のみをカットできます。従来のグラフィックイコライザなどのようにカットしなくてもよい周波数成分までをカットしてしまうことがありません。そのため音質を損ねるような影響を与えることがなくなります。 図表
マイク音声(モノラル信号)と音楽系(ステレオ信号)を別々に処理
DP-M3 ではモノラルとステレオ(L・R)の2種類の入出力(3入力3出力)を備え、3つの入力それぞれに個別に信号処理を行なうことを可能にしました。つまりマイク音声をモノラル入力へ、音楽系をステレオ入力へ入力することによってハウリングの原因となるマイク音声だけにハウリング抑制処理を行なえるのです。同時に音楽系にはハウリング抑制の影響を与えずに音質調整処理を行なうことができますので、ハウリング抑制と音質調整を1台で両立できます。モノラル信号とステレオ信号を別々に入出力することのできるアクセサリ入出力をもつ、TOAのステレオミキサー M-200 シリーズやAVシステムミキサー AV-842 などと組み合わせた使用が有効です。 図表
(2)ワンタッチでハウリング抑制の設定ができます
簡単操作で自動設定する<オートモード機能>を搭載

DP-M3 のオートモード機能を使用すれば、ボタン1つで自動的にその空間のハウリングを起こす周波数成分を探し出し、あらかじめカットしておくように設定できます。事前のハウリング対策が、どなたでも簡単に行なえます。


(3)新たに発生するハウリングにも対応します
突然の発生にも自動抑制する<ダイナミックモード機能>を搭載

DP-M3 のダイナミックモード機能を使用すれば、事前の設定時から状況が変化することにより新たに発生するハウリングに対しても、自動的にハウリングを起こす周波数成分を検出し、カットできます。拡声中に突発的に起こるハウリングにも人の手を煩わすことなく対応できるので安心です。

DP-N3 ●電源:AC100〜240V 50/60Hz
●入力:モノラル×1、ステレオ(L)×1、ステレオ(R)×1
●出力:モノラル×1、ステレオ(L)×1、ステレオ(R)×1
●信号処理:ハウリング抑制機能(モノラルのみ)、オートミュート機能(ステレオのみ)、レベル調整、コンプレッサ、ハイパスフィルタ、ローパスフィルタ、
パラメトリックイコライザ、ディレイ、ミキシング
●寸法:横幅482×高さ44×奥行302mm
●質量:約3.5kg

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