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ワイヤレスシステム

今回は、イベントや会議時などでも非常によく使われている「800MHz帯ワイヤレスシステム」について取り上げます。
ワイヤレスシステムは空中を飛び交う電波を利用しているため、便利な反面、電波特有の混信などを起こすことがあります。
その原因を知ることで、トラブルが起こりにくい使い方を学ぶことができます。

なぜ同じ周波数のワイヤレスマイクが、2本同時に使えないの?

コード付マイクロホンを2本同時に使う場合、ミキサーにつなげば、音が重なって(ミキシングされて)スピーカーから出てきます。しかし、同じ周波数のワイヤレスマイクを2本同時に使おうとしても、アンテナに届く前に音(電波)をミキシングすることはできません。ところで、電波法で許可された800MHz帯B型ワイヤレスマイクとして使用できる周波数チャンネルは30波あります。ここで、周波数チャンネルを線路に、ワイヤレスマイクの電波をその上を走る貨物列車に例えてみましょう。列車を走らせている時間をワイヤレスマイクの使用時間、乗せている荷物は音声と思ってください。同じ周波数のワイヤレスマイクを2本同時に使うことは、1本のレールの上に同時刻に2つの列車を走らせることとなり、衝突してしまいます。衝突すると「グチャグチャ、ジュルジュル」という雑音になり、音声は出てきません。

なぜ音の途切れる場所があるの?

電波はまっすぐ届くのではなく、色々な方向に広がったり障害物にぶつかって跳ね返ったりしながら伝わっていきます。
例えば、水槽の水をかき回すと水面が波立ち、波同士が干渉しあって、高い波の起きる場所と低い波の起きる場所ができます。これと同様に、ワイヤレスマイクから出た電波は波打ちながら距離によって減衰していき、壁や障害物にぶつかって、電波の強い場所と弱い場所ができます。この強弱は、マイクロホンとアンテナの位置や、水槽と同様に室内の状況によって変化します。
ワイヤレスチューナーは、ある一定レベル以上の電波を受信する仕組みになっていますが、ワイヤレスマイクから電波が出ているにもかかわらず、受信できない場所が発生します。
この場所はデッドポイントと呼ばれています。一般的にシングル方式に比べてダイバシティ方式の方がデッドポイントが少なくなります。

なぜ音の途切れる場所があるの?

なぜ同一空間で6波しか使えないの?

電波法で許可された800MHz帯B型ワイヤレスマイクとして使用できる周波数チャンネルは30波。
しかし周波数をレールで例えた場合、この30波のなかにはレールが近すぎるため衝突する危険のある周波数が含まれています。この関係を考慮すると、同一時間に走れるレールは最大6本で、問題の発生しない組み合わせは下記の6グループになります。
つまり、800MHz帯ワイヤレスマイクロホンを同一空間で使用する際には、まずB1〜B6の全6グループから任意の1グループだけを選択することになり、その結果、同時に使用できるマイクロホンの周波数は最大6波までとなるのです。

なぜ同一空間で6波しか使えないの?

どれくらいの範囲で使えるの?

1つのエリアで使うチャンネル数により、使用できる範囲が異なります。

16〜30チャンネルのワイヤレスマイクロホンを同時に使用する場合

16〜30チャンネルのワイヤレスマイクロホンを同時に使用する場合

アンテナから10mの範囲で使用できます。
アンテナ4本で10m×10mの部屋で使用できます。

※ダイバシティシステムですので、アンテナは2本以上必要です。

7〜15チャンネルのワイヤレスマイクロホンを同時に使用する場合

7〜15チャンネルのワイヤレスマイクロホンを同時に使用する場合

ワイヤレスマイクロホンを使用できる範囲は、1つのアンテナから20m以内です。
アンテナ2本で20m×20mの部屋で使用できます。

※ダイバシティシステムですので、アンテナは2本以上必要です

6チャンネルまでのワイヤレスマイクロホンを同時に使用する場合

ワイヤレスマイクロホンの送信出力切換スイッチ※を変更することで、使用できる範囲が変わります。
下記のAの場合は「H(出力6mW)」、Bの場合は「L(出力2mW)」に設定してください。

6チャンネルまでのワイヤレスマイクロホンを同時に使用する場合

設定の仕方は?

設定は以下のようになります。

※下記のシステムおよび設定内容は代表例であり、実際の使用環境に応じた設定が必要な場合があります。

16〜30チャンネルのワイヤレスマイクロホンを同時に使用する場合

16〜30チャンネルのワイヤレスマイクロホンを同時に使用する場合
  1. 周波数表の30チャンネル使用時のグループの中から最大30チャンネルを選び、表の表示になるように、ワイヤレスマイクロホンとワイヤレスチューナーのグループ番号とチャンネル番号を設定します。
  2. ワイヤレスマイクロホンの送信出力切換スイッチを「L」側にします。
  3. チューナーの前面パネル右側にあるアッテネーターを0dBの位置にします。
  4. アンテナのつながった1台目の混合分配器の前面パネル右側にあるアッテネーターを-20dBにします。
  5. その他の混合分配器のアッテネーターを-6dBにします。
  6. 当社のアッテネーター付きのワイヤレスアンテナYW-550を使う場合は、そのアッテネーターを0dBにします。

7〜15チャンネルのワイヤレスマイクロホンを同時に使用する場合

7〜15チャンネルのワイヤレスマイクロホンを同時に使用する場合
  1. 周波数表の15チャンネル使用時の中から、奇数または偶数のどちらのグループを使用するかを決め、そのグループの中から最大15チャンネルを選び、その表の表示になるようにワイヤレスマイクロホンとワイヤレスチューナーのグループ番号とチャンネル番号を設定します。
  2. ワイヤレスマイクロホンの送信出力切換スイッチを「L」側にします。
  3. チューナーの前面パネル右側にあるアッテネーターを0dBの位置にします。
  4. 混合分配器の前面パネル右側にあるアッテネーターを−20dBに設定します。
  5. 当社のアッテネーター付きのワイヤレスアンテナYW-550を使う場合は、そのアッテネーターを0dBにします。

ワイヤレスチューナーフロント設定スイッチ

ワイヤレスチューナーフロント設定スイッチ

各アッテネーター・送信出力切換スイッチの位置

各アッテネーター・送信出力切換スイッチの位置
カンカン塔の見はり番

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