地方発明表彰は、優れた技術やデザインを生み出した技術者および研究開発者を顕彰するものです。日本の科学技術向上と地域産業活性化への寄与を目的に、1921年(大正10年)に創設された歴史ある表彰事業で、全国8地方に分かれて実施されています。
※全国8地方:北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州
<兵庫県発明協会会長賞 受賞発明の紹介>
発 明:自動共鳴音場補正機能ARC ※ARC:Automatic Resonance Control
発明者:東原大介
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**功績**
体育館や多目的ホール、教会などの比較的広い空間において、マイクやスピーカーなどの拡声機器を使用した場合、音が“ワ~ン”と響いて聞き取りづらいことがあります。この聞き取りづらさの原因となっているのは、「拡声空間の共鳴」という現象です。共鳴は、音が空気中を伝わる振動であることが関係しており、解決するためには、原因となる共鳴周波数を特定し、抑制しなければいけません。これらの作業には、音響の知識とノウハウを要するため、従来は熟練した音響技術者が主に行っていました。結果、聞き取りづらいという問題を抱えたままの施設が、数多く存在しているのが現状でした。
自動共鳴音場補正機能ARC(以下、ARC)は、共鳴周波数を探し出し、抑制する機能のことです。ARC機能は、TOAのデジタルオーディオプロセッサーDP-K1、デジタルステレオミキサーM-633Dに搭載されており、これらの機器を使用すれば、従来は熟練した技術を要した音響調整を、誰でもボタン1つで簡単に、短時間で行うことができます。現在、羽田空港や成田空港など、日本国内の主要空港で活躍しています。また、大規模空間において音の明瞭性を確保することは、災害発生時などの緊急放送においても大変重要であることから、社会性の観点からも貢献度の高い発明となります。
<ARC機能が搭載された商品>
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デジタルオーディオプロセッサー DP-K1
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デジタルステレオミキサー M-633D
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デジタルステレオミキサー M-864D (近日発売)
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