北京オリンピックとTOA
オリンピックを支えたTOAの“音”
北京オリンピックのメインスタジアム北京国家体育場(愛称:鳥の巣)
世界204の国・地域が参加、史上最大規模で行われた北京オリンピック。当社は、そのメインスタジアムとなった北京国家体育場(通称:鳥の巣)をはじめ、計22カ所のオリンピック関連施設に音響機器を納入しました。中でも、“鳥の巣”に納入した放送設備は、非常業務兼用のものとしては世界でも最大規模の物件。これを短期間で構築し、ノントラブルで運営できたことは、図らずも当社の高い技術力の証となりました。
最新の技術と地道な営業で、当初の不利を覆す
当社が“鳥の巣”に構築したのは、
- 複数の音源を複数の放送エリアへと自在に送り出せる多元業務用放送設備「 SX-2000 」
- 故障検知システムやスケジュールコントロール機能などを備えた大規模非常用・業務用放送設備「 VX-2000 」
- 優れた指向性コントロールで明瞭な拡声を実現したコンパクトアレイスピーカー「 HX-5W-WP 」
の3つを組み合わせ、デジタル化にも対応した多機能放送設備です。
多元業務用放送設備「 SX-2000 」
大規模非常用・業務用放送設備「 VX-2000 」
当社が北京オリンピックの受注活動を強化したのは2006年度初旬。中でも最大の目標としたのが、メイン施設の“鳥の巣”でした。非常に規模が大きくかつ著名な施設であることから技術的にも営業的にも難しいものでしたが、当社は現地法人・TOA(CHINA)LIMITED.(以下TCL)を中心に営業に取り組み、政府のみならず設計業者、施工業者、防災設備管理業者に至るまでの幅広い人脈を構築。技術力に加え、空港など大型施設への納入実績を大いにアピールし、徐々に関係者との信頼関係を築き上げていきました。
その上で、最新技術を盛り込んだ放送システム提案を行った結果、2006年7月に受注が決まったのです。
最新の大規模音響システム、期間中の無事故を達成
受注の決め手となったのは、数々の大規模物件を手掛ける中で培ってきたネットワーク技術でした。
万一の際の非常放送を受け持つ設備である以上、放送が行き届かない場所や、放送が遅れて届く場所が施設内にあってはなりません。そこで当社は、放送設備を“鳥の巣”内の4カ所に分散配置し、館内に敷設されたIPネットワークを通じて集中制御する方式を採用。1つの放送設備がダウンしても自動的に他がカバー、非常時にはすべてに優先して緊急放送が流せ、断線などのトラブルも24時間監視・修復できるシステムを設計しました。
さらに、中国独自の法的基準にも対応。現地の消防関係法令に合わせ、非常用放送をパソコンの画面上で操作できるシステムなどを新たに作り上げ、万全の体制を整えました。これらの取り組みが中国政府から高く評価され、最大の目標であった“鳥の巣”を攻略することができたのです。
北京国家体育場 IPネットワークを利用したPC集中制御画面
非常用・業務用放送設備操作ユニット
受注後には、システムの新規開発から製品のカスタマイズまでをわずか1年で完了。本番のオリンピック期間を、一度もトラブルを起こさずに乗り切ることができました。そしてこれを機に、TOAの名前は多くの人に知れ渡るようになりました。
中国市場は今後も、まだまだ発展を続けていきます。当社は、“鳥の巣”を通じて高めたブランドイメージを最大限に活かし、その中で確かな地位を築いていきたいと思います。
目指すはNo.1、Only1
堀田昌人・TCL社長
TOAグループが中国市場で成長していくために最も重要なのは、ブランドの確立とブランド価値の向上。苦労して獲得した“鳥の巣”の仕事は、目論見通り“TOA”の名を大きく高めてくれました。この実績をこれからは最大限活用し、中国市場でのさらなるシェア拡大を図ります。目指すは、“地域・業界におけるNo.1、Only1メーカー”です。